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私の薦めるこの一冊

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東西の叡智 「無」において出会う

『東西の叡智 「無」において出会う』表紙

  • 著者:ヴィリギス・イェーガー
  • 訳者:八城圀衛
  • 定価:本体1,200円+税
  • B6判 並製  165ページ
  • ISBN978-4-902211-69-6
  • 発行:教友社


本書の帯には、次のように内容が紹介されています。
 <統合的霊性のヴィジョン> 長年にわたるベネディクト会士としての修道生活、さらに禅の修行体験を通じて覚知したことを証言する「霊的指南書」。
 これは、本書をわかりやすく紹介している文章です。

 東西の宗教体験をした霊性の大家である著者が、神を見失っている現代人に、神を取り戻す方法の一つは、東西の霊性を統合した霊性を示すことであることを打ち出したのが本書です。

 神学者や神学・哲学を勉強している人にお勧めしたいもので、必ずしも、すべての人を対象にしているものではありません。
 それは、著者が、本書の中で述べている「神」という言葉の使い方でもおわかりいただけると思います。
 著者は、神という言葉を、「理性的には把握できない『絶対的意識』」という意味で使っておられます。

 第一章から第三章までに分け、まず、人間が抱く四つの問い--我々は何処から来たのか? 我々は如何なる存在なのか? 我々は何故ここに存在しているのか? 我々は何処へ行くのか? に答えようとしています。
 第二章は、危機にある宗教をテーマに、現代の宗教的問題の底に潜む現代人の宗教意識を描き出しています。
 最後の第三章は、“普遍的神秘思想を目指して”と題して、著者の結論が述べられています。

 各章ごとに、「対話」、つまり、著者が質問に答えるという部分が付けられていますが、この部分は、研究者、やそのテーマに疑問を抱いている人々には参考になることと思います。


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