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宗教的共生と科学

『宗教的共生と科学』表紙

  • 編著:宮本 久雄
  • 定価:本体1,900円+税
  • A5 並製  260ページ
  • ISBN978-4-902211-98-6
  • 発行:教友社

本書は、教科書シリーズの第Ⅳとして出版されたものです。

 キリスト教と科学はガリレオなどの問題で、対立しており、相いれないものと考えている人が大勢います。しかし、本書では、その問題はすでに克服されている、と明言しています。
 それは、宗教は「わたしたちはなぜ存在するのか」など、現実の根拠そのものへの「なぜ」を問い、科学は、すでに与えられている現実が「どうしてそのようになっているか」を証明するものだからです。

 上智大学は、2009年に、神学研究科と哲学研究科が協力し、「共生学研究会」を発足させました。
 この「共生学研究会」から、種々の実りが生まれています。

 本書は、その歩みの中で将来に関わる緊急問題として、2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故によって引き起こされた「他者のために、他者と共に生きる男女たち」の存在と共生が、危機に瀕していくことから、発行されたものです。

 宗教的共生における脱原発の位置づけ、科学技術の利用の倫理的限界と宗教の視点、核エネルギー使用についての哲学的・神学的考察などに1章ずつがさかれています。
 その他、ダライ・ラマ、西田幾太郎、エリクソンなどの研究が「共生」という視点から取り扱われています。

 原発の問題、核の問題が、社会では解決されえない大きな問題として、福島県に住む人びと、さらに、その問題に関わらざるを得ない多くの人びとに重くのしかかっているこのとき、本書を読む人びとに、本書の論文が支えとなり、多くの人びとを生命、光に導くものとなることを願っています。


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