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第74回 洗礼の秘跡はどのように行われるか

今回は、洗礼の秘跡が実際にどのように行われるのかをみてみたいと思います。


3 洗礼の秘跡はどのように行われるか

キリスト教入信

 キリスト信者になるためには、どんな段階があるのでしょうか。「信者になりたい。すぐ洗礼を授けてください」という希望をもっていても、すぐにその望みがかなえられるわけではありません。教会は、使徒たちの時代から、段階をふんで準備をしたうえで、洗礼を授けていました。

入信の過程としては、神のことばの告知、回心を伴う福音の受け入れ、信仰宣言、洗礼、聖霊の注ぎ、聖体拝領という基本的な要素が含まれています。

入信の過程は、時代により変遷がありました。第2バチカン公会議後、今、私たちが経験しているような入信過程で行われています。成人のキリスト教入信は、求道期に数段階にわけて洗礼の準備をしますが、その時から始まり、洗礼、堅信、聖体の3秘跡が1つの儀式で行われるとき、最高潮に達します。


式の説明

 洗礼の秘跡の意味と恵みは、儀式の中にはっきりと表されています。


十字架のしるし---
洗礼式に先立つ十字架のしるしには、2つの今があります。
第1は、これから、あなたはキリストに結ばれるものとなるのです、というしるしです。
第2は、キリストが十字架の死によって、勝ち得てくださった救いの恵みが与えられるというしるしです。


神のことばの宣言---
洗礼は、信仰生活への秘跡的入り口です。イエス・キリストが私たちに示してくださった啓示によって、信仰の応答ができるようになるのです。


解放を求める祈り---
洗礼は罪と悪からの解放を意味します。そのため、罪とそれに誘う悪魔からの解放を求める祈りの後、洗礼志願者に塗油、あるいは按手が行われます。次いで、志願者は、悪魔を捨てることをはっきりと宣言します。


信仰の宣言---
洗礼によって、自分にゆだねられる教会の信仰を公に宣言します。


洗礼水の祝福---
洗礼に使われる水が祝福されます。この水で洗礼を受ける人々が、「水と霊」によって生まれるように願うのです。


洗礼式---
ここから、秘跡としての洗礼の本質的な部に入ります。


 キリストの過越の神秘にあずかって、罪に死に、三位一体の神のいのちに入るために、司式者は、「○○さん、わたしは父と子と聖霊のみ名によってあなたに洗礼を授けます」と唱えながら、志願者の頭部に3度水を注ぎます。


聖香油の塗油---
新受洗者に聖霊が与えられてことを示す聖香油で、ひたいに十字架のしるしがなされます。これによって受洗者は、聖霊によって塗油された者・キリスト者となり、祭司、預言者、王として、油注がれた方キリストに、つながるものとなったのです。


白衣の授与---
キリストを身にまとったことと、キリストと共に復活したことを示す白衣を受けます。


ろうそくの授与---
復活ろうそくからともされたろうそくを受けます。これは、キリストが、受洗者を照らしてくださることを示すと同時に、受洗者が「世の光」とされたことも表しています。


初聖体の拝領---
神の子どもとなり、新しいいのちに生きるものとされた新信者は、キリストのからだと血である「いのちの糧」を初めて受けます。


荘厳な祝福---
洗礼式の終わりに、荘厳な祝福が与えられます。


以上、ごく簡単に、洗礼式のポイントだけを説明いたしました。1つずつのことばと動作には、もっともっと深い意味があります。ご自分でも、深めてみてくださいね。

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