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第79回 堅信のしるしと儀式

第3項 エウカリスチアの秘跡


2 堅信のしるしと儀式

堅信式に用いられる「しるし」で大切にされているものは何でしょうか。それは「塗油」と「霊印」です。塗油は、象徴的な意味をもつものです。油は、豊かさ、喜びのしるしであると同時に、清め、柔軟さ、治癒のしるしでもあり、美と健康と力を増進させるものでもあります。塗油は、いろいろな秘跡で用いられますが、このような意味をもつ油が塗られることが表していることは、秘跡においても同様のしるしを示しています。

   洗礼前の求道者への塗油----清めと強化
   病者の塗油の秘跡----治癒と力の回復
   堅信の秘跡----聖別のしるし
   叙階の秘跡----聖別のしるし

堅信の秘跡で塗油を受けたキリスト者は、イエス・キリストの使命と、イエス・キリストに充満している聖霊の働きに深くあずかり、その人の生活全体が、キリストのよい香りを放つようになるのです。堅信の秘跡を受ける信者(受堅者)は、塗油によって聖霊の「証印」(霊印)を受けます。証印は、本人であることのしるしであり、権威のしるし、あるものについて所有権があることを示すしるしでもあります。


キリストご自身も、神である御父からの証印を受けておられました。そして、今度はキリストが堅信の秘跡を受ける私たちに、ご自分の証印を押してくださるのです。この証印は、キリストへの全面所属、永遠にその奉仕者になったことを示していますが、また、世の終わりの試練の時に、神が守ってくださるという約束のしるしでもあるのです。


堅信式

堅信式の儀式に先立って、「聖香油の聖別」が行われますが、これは、毎年、聖木曜日の「聖香油ミサ」で各教区の司教の手によって行われるものです。堅信式で、司教は、受堅者全員の上に手をさしのべます。この動作は、使徒たちの時代から行われているもので、聖霊が与えられるしるしです。そして、司教は受堅者に聖霊の恵みを祈り求めます。 「……今この人々の上に、助け主である聖霊を送り、知恵と理解、判断と勇気、神を知る恵み、神を愛し敬う心をお与えください。……」


続いて、秘跡の本質的な部分に入ります。司教は受堅者に按手し、「父のたまものである聖霊のしるしを受けなさい」と言いながら、額に聖香油を塗布していきます。


堅信式をしめくくるのは、「平和のあいさつ」です。司教、司祭、全信者と交わす、教会的な交わりを示すものです。その地域や国によって、この平和のあいさつの方法は異なっていますが、日本では、司教が受堅者一人ひとりに、「主の平和」と肩に手を置きながらあいさつなさっているようです。

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