home>キリスト教入門>カテキズムを読もう>第2編 キリスト教の神秘を祝う>第2部>第118回 混宗結婚と異宗結婚

カテキズムを読もう

バックナンバー

第118回 混宗結婚と異宗結婚


前回は、「結婚の準備」が、非常に大切であることを申し上げましたが、今回はこのことについて少し触れてから、次の段階に進みことにいたしましょう。


結婚の準備---

結婚を考え始めた若い2人は、自分の家庭でのこれまでの生活や、両親の関係、そして自分たち子どもと両親の関係について新しい見方で見直します。このことからも、両親、家族の生き方、模範がいちばん大切な準備になっているということは、よくおわかりいただけることだと思います。

さらに、結婚する若い人々が所属している教会共同体の人々の支え、模範が必要です。 不幸なことに、現代では周囲に幸せな結婚生活をした人がいない、という若者もいるくらいです。教会共同体のメンバーが、日曜ごとにご夫婦揃って仲むつまじく、聖体祭儀に参加なさっている姿を見せていることは、結婚前の人々にとって、それだけで大きな証しとなっています。現代ほど、忠実を尽くして愛をまっとうする姿を見ることが少ないからです。

カトリック教会では、結婚を決意した人々を対象に、「結婚講座」を行っています。これは、回数や時間などがそれぞれの教会で異なっていますから、該当する人々にまず教会窓口にお尋ねになることをお勧めします。

結婚講座においては、多少の相違はありますが、カトリック教会の教える結婚とはどういうものかということや、精神的、肉体的、経済的な生活にかかわるアドバイスなどを行っています。

では、次の項目に進みましょう。


混宗結婚と異宗結婚---

この言葉を初めて聞く方も多いのではないかと思います。まず、ご説明いたしましょう。

混宗結婚とは、カトリック信者と、他のキリスト教諸派の信者との結婚を指す言葉です。異宗結婚とは、カトリック信者と、キリスト教ではない他宗教の信者との結婚を指す言葉です。

日本においては、どちらの結婚の例も多いのではないでしょうか。しかし、このどちらの結婚においても、配偶者や司牧者の細やかな配慮が特別に必要な場合がありえます。

教会法には、混宗結婚が合法となるためには、教会権威者の明示的許可が必要であることが書かれています。異宗結婚の場合は、その結婚が有効となるためには、障害の明示的免除が必要であることが、教会法に書かれています。

明示的許可、明示的免除が与えられるための条件には、以下のことがあります。
・結婚する両者が、結婚の本質的な目的と特性を知り、それを拒否しないこと。
・カトリック信者が自分の信仰を保持し、子どもにもカトリック教会で洗礼を授け、カト リック教会での信仰教育を授けることを保証する義務があり、そのことを、カトリック 信者でない相手にも知らせる必要があることを確認すること。

多くの国では、教会一致運動(エキュメニカル運動)による対話が進み、「混宗結婚者のための共同司牧」が行われるようになりました。これは、各自が所属している教会に対する義務を守ることに関して起こりうる緊張を克服するように助けたり、信仰に共通するものを成熟させ、異なる面を尊重するように励ますことを目的として行われている司牧活動です。

異宗結婚のカトリック信者には、特別な任務があると言われています。それは、コリント1 7.14に聖パウロが書いているように、信者である人と結婚することによって、信者でない相手の人も聖なる者とされている、ということから出るものです。結婚によって「聖」とされた人が、自然にキリスト教信仰への回心に導くことが望まれているのです。

前へ 

▲ページのトップへ