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映画作家 黒木和雄 非戦と自由への想い

2016年11月

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 映画作家 黒木和雄 非戦と自由への想い

  • 監督:後藤幸一
  • 音楽:秋吉敏子JAZZ ORCHESTRA Featuring LEW TABACKIN
  • 題字:赤松陽構造
  • ナレーション:尾又淑恵
  • 語り:佐野史郎
  • 出演:黒木和雄、澤地久枝、田原総一朗、黒田征太郎、青来有一、黒木暢子、大江健三郎、井上ひさし、高野悦子
  • 配給:パル企画、コピーライツファクトリー

2016年 日本映画 1時間31分


10年前に亡くなった日本映画界の巨匠・黒木和男監督には、「戦争レクイエム4部作」と呼ばれている作品があります。「TOMORROW 明日」「美しい夏キリシマ」「父と暮らせば」「紙屋悦子の青春」です。ご自分の15歳のときの戦争体験が、映画を作るときの原典となり、戦争を憎み、平和を求め続けました。

映画作家 黒木和雄 非戦と自由への想い
(C) 2016 パル企画/コピーライツファクトリー


「TOMORROW 明日」(1988年)の舞台は長崎。一瞬にして日常生活を灰としてしまうことへの怒りが込められています。核兵器は過去の問題ではなく、今のことなんだと訴えています。「美しい夏キリシマ」(2002年)は、鹿児島県都城での15歳のときの体験を描いています。機銃掃射の弾丸から一緒に逃げた級友が撃たれました。その友人の無残な姿を見て、思わず逃げてしまったことが、監督の生涯に重い影を落としています。生き残った人間が、その後どのように生きたらよいのか、級友への鎮魂としょく罪から生まれた作品です。「父と暮らせば」(2004年)の舞台は広島です。広島の人々が原爆の体験を語り始めたとき、同じ時代を生きていた者として、撮らなくてはいけないという思いに駆られ、生き残った後ろめたさを抱えている娘と、亡霊となって娘の前に出てくる父親との会話を描いた井上ひさし氏の舞台作品「父と暮らせば」を映像化しました。「紙屋悦子の青春」(2006年)は、紙屋悦子という一人の女性を描きながら、出征する青年たちにささげた女性たちの思いを描いています。

戦後71年を迎えた今年、戦争のにおいが近くなった今の時代にどう向き合っていったらいいかを問われていると感じた後藤幸一監督は、2006年に「紙屋悦子の青春」を完成させて間もなく亡くなった師である黒木監督の思いに向き合い、次の時代へ伝えていきたいと、「非戦と自由への想い」を完成させました。

後藤監督が、黒木監督の姿を描きだしていくためにインタビューした人は、作家の澤地久枝さん、ジャーナリストの田原総一朗氏、イラストレーターの黒田征太郎氏、作家で長崎原爆資料館館長の青来有一氏、作家の大江健三郎氏、井上ひさし氏、黒木監督夫人の黒木暢子さんなど、栗木監督とかかわった人や家族の25人に及ぶ。「TOMORROW 明日」に出演した佐野史郎氏が、語りを担当しています。

映画作家 黒木和雄 非戦と自由への想い
(C) 2016 パル企画/コピーライツファクトリー


黒木監督が、数多くの作品をとおしてわたしたちに残してくれたものをしっかりと受け止め、次の人々へ伝えたいと思います。



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