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大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院

2014年 7月

INTO GREAT SILENCE

大いなる沈黙へ

  • 監督・脚本・撮影・編集:フィリップ・グレーニング
  • オリジナルサウンド: フィリップ・グレーニング
  • 配給:ミモザフィルム

2005年 フランス、スイス、ドイツ映画 2時間49分

  • サンダンス映画祭2006審査員特別賞受賞
  • ヨーロッパ映画祭2006部エストドキュメンタリー賞受賞
  • ドイツ映画批評家協会賞2006ベストドキュメンタリー賞受賞
  • ドイツカメラ賞2006最優秀賞受賞
  • バーバリアン映画賞2006ベストドキュメンタリー賞受賞

グランド・シャルトルーズ修道院は、フランスのシャルトルーズの人里離れた山間にある大きな修道院です。1084年、ドイツ・ケルンのブルーノによってこの地に創立されたカルトジオ会は、世界に19の修道院があり、このグランド・シャルトルーズ修道院がそれらの母院となっています。広大な敷地、広い建物の中で、修道士たちの祈りがささげられています。

修道士には個室=房が与えられており、食事も含めてほぼ一日をこの房の中で一人で祈りのうちに過ごします。静寂を保つために、修道院内は沈黙で会話はありません。時課の祈りとミサ、一回の食事など、他の修道士とともに過ごすときもありますが、会話はありません。週一度の散歩の時間は、会話がゆるされ、交わりのときを過ごします。自給自足の生活で、一切の持ち物を持ちません。

大いなる沈黙へ


フィリップ・グレーニング監督は、1984年に一人のカルトジオ会の修道士と会い、グランド・シャルトルーズ修道院での撮影をお願いしたが、一年後に「今はまだ早すぎる。10年か13年後であれば」と言われました。2000年に突然修道会から連絡が入りました。「まだ興味をもってくれているのなら」と。ただし条件がありました。音楽なし、ナレーションなし、照明なし、修道院の中に入るのは一人だけというものでした。監督は6か月間、彼らと同じように房での生活をしながら、修道士たちの生活を撮影しました。

大いなる沈黙へ


大いなる沈黙へ


シンシンと降り積もる雪、山間に響き渡る鐘の音、4線で書かれたグレゴリオ聖歌の大きな本、闇の中に赤く灯るローソクの光だけの深夜の祈り、誓願式、質素な食事、風に揺れるカーテン、屋根から落ちる雪解けの水、散歩での語らいと笑い声……。

彼らの生き方の中に、現代の人々は何を見るのでしょう。


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