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ハッピー・リトル・アイランド  長寿で豊かなギリシャの島で

2014年10月

英題:LITTLE LAND

ハッピー・リトル・アイランド

  • 監督:ニコス・ダヤンダス
  • プロデューサー:レア・アポストリデス 、ユーリ・アヴェロフ
  • 配給:ユナイテッドピープル

2013年 ギリシャ映画 52分

  • テッサロニキドキュメンタリーフェスティバル2013 WWF賞、ERT3ハビタット賞
  • フィルムアンビエンテ国際環境映画祭2013 長編賞・特別賞
  • エコトップフィルム映画祭2013 コシツェ市長賞
  • アストラ映画祭2013 エコ映画賞
  • ドーヴィルグリーン国際映画賞2014 エコパフォーマンス特別賞

幼少期を、第2次世界大戦末期のナチス支配下のハンガリーで過ごした女性亡命作家アゴタ・クリストフが、52歳のときに出版した処女作「悪童日記」の映画化です。1986年に出版されると、瞬く間に世界20か国で翻訳され、数々の賞を受賞しました。現在では、40か国語に翻訳されています。

簡潔な短い文で書かれた『悪童日記』は、感情は表現されていず事実だけが並べられているので、映画化は難しいとされてきました。ヤーノシュ・サース監督もシンプルな方法で物語っていくことに挑戦しました。

エーゲ海に浮かぶイカリア島。ここは長寿で有名な島で、生活は豪華ではないが、高齢者たちがしあわせに暮らしている。3人に一人が貧しく、若者の50%に職がないという、厳しい経済状況が続いているギリシャ。「ロストジェネレーション」と呼ばれる、希望を失った若者たちは、ギリシャから離れたいと思うようになり、実際にかすかな希望を抱いて、移住する人々が増えてきている。

35歳のトドリスは、IT関連の会社に勤めていたが、恋人とともに、ギリシャの離島・イカリア島に引っ越すことにした。まず、先にトドリスが島にやってきた。空き家となった家を求め、住める状態にしていく。少しずつ、のんびりとやっていこう。お金は大切に使わないと。家作りが落ち着くと、周囲へと目が向く。食料は、自然の中にあった。自給自足の生活。海へ行って岩に生えている草を集める。近所の農家の、オリーブの収穫を手伝いに行く。ハチミツ取りをする。次第に、知り合いが増えていく。雑貨店の店主とも、話がはずむ。

ハッピー・リトル・アイランド
(C) ANEMON


「お金がなくても生きていける。野菜を育てる大地があるじゃないか」。トドリスは、中古の耕運機を買う。近くに住む、やはりこの島に移住した若者と、助け合って農作をするようになる。分からなくなったら、島の人が教えてくれる。自給自足の生活は、幸福感が高い。
「前向きな心があれば、なんとかなるさ」。

ハッピー・リトル・アイランド
(C) ANEMON


この島には、高齢者が多いが、島にやってくる若者のよい話し相手になってくれる。
「人生を楽しめないなら、死んだほうがまし」夜、テーブルを並べ、みなで集まって食事をする。踊り出す。
島の人は、支え合い、助け合って生きている。そして、必要最低限のもので満足している。

ハッピー・リトル・アイランド
(C) ANEMON


彼らは言う。「欲しいものがあれば、それは、ないかもしれない。でも、必要なものはある」と。

 

「生きる」って、どういうことなのか。しあわせとは何かを考えさせられます。島の高齢者たちの、のんびりとした、しかし、充実した笑顔が魅力的です。経済的に豊でなくても、この島の人のように、大地からいただくものに感謝し、活用し、人々と分かち合って、ともに過ごすということが、一番のしあわせ。そう感じるようにしてきた結果の満足感なのかもしれません。

こちらも、のんびり、ハッピーになる映画です。「さて、わたしはどうしよう」。


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