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五島のトラさん

2016年 8月

 五島のトラさん

  • 監督:大浦勝
  • ナレーション:松平健
  • テーマ曲:さだまさし
  • 製作・配給:テレビ長崎

2016年 日本映画 1時間54分

  • 第22回上海テレビ祭ドキュメンタリー部門最高賞マグノリア賞受賞
  • 第24回FNSドキュメンタリー大賞グランプリ受賞
  • 第53回ギャラクシー賞奨励賞受賞
  • JPPA-AWARDS 2016 経済産業大臣賞受賞

強いコシとなめらかなのどごしで有名な五島うどん。製法も変わっていて、うどんの元になる塊を渦巻きのように刃を入れ、椿油を塗りながら、何回も機械にかけて伸ばしていき、天日干しをしながら、さらに細く伸ばしていくという、手間と時間のかかる製法が特徴です。

五島うどんは、その名のとおり、長崎県五島列島で作られている手延べうどんです。五島のトラさんこと、犬塚虎夫さんも、夜中に起きて、五島うどんを作っています。トラさんと妻の益代さんの間には、7人の子どもがいます。子どもたちは、それなりの作業ができる年齢になると、両親のうどん作りを手伝います。「自分の子どもは、自分で鍛えなければ……」と言うトラさん。「学校で教わらないことを、家の仕事をとおして学ぶ」と、子どもたちに家業を手伝わせています。このトラさんの生き方に共感したテレビ長崎の大浦ディレクターは、1963年から22年間にわたって、トラさん一家の成長を記録しました。テレビで放映後、大きな反響を呼び、数々の賞を受けました。家族の原点を示す作品としてよい多くの人々に見てもらいたいと、このたび劇場公開されることになりました。


 

五島のトラさん


美しい海が輝きはじめる五島列島の夜明け。朝5時、小さな子どもたちが、エプロンを着け三角巾をかぶり、うどん作りの作業場にやってきます。椿油を塗る子、機械から出てくるうどんをタライにおさめる子、長く伸びていくうどんの様子を見守る子。年齢に応じて、仕事が割り振られていきます。上の子が大きくなっていくと、仕事は小さい子に引き継がれていきます。

五島のトラさん


やがて子どもたちは、自分の進路で悩むようになります。島に残る子、進学のために島を出て行く子、自分の道を歩むために父親の反対を押し切って家を出る娘。そして、都会から戻ってくる子。嫁いでく子。7人の子どもたちには、7とおりの道があります。

トラさんは、天然の塩作りを始めました。新しいことに挑戦するトラさんは、地域の若者のあこがれです。家のこと、うどんのこと、地域のことをしてきたトラさんも、だんだん年を取っていきます。大人になった子どもたちは、トラさんをどう見ているのでしょう。

美しい自然の中で生きるトラさん一家が、近くに住んでいるように親しみを感じ、自分の親はどんな思いで育ててくれたのかと思い描きました。



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