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未来を花束にして

2017年 2月

SUFFRAGETTE

 未来を花束にして

  • 監督:サラ・ガヴロン
  • 脚本:アビ・モーガン
  • 音楽:アレクサンドル・デスプラ
  • 出演:キャリー・マリガン、
       ヘレナ・ボナム=カーター、
       ブレンダン・グリーソン、
       アンヌ=マリー・ダフ、
       ベン・ウィショー、メリル・ストリープ、
       フィンバー・リンチ
  • 配給:ロングライドE

2015年 イギリス映画 1時間46分





物語

1912年のロンドン。夫サニー(ベン・ウィショー)とともに、劣悪な環境の洗濯工場で働くモード(キャリー・マリガン)は、疲れた身体で家に帰ると、息子ジョージの存在に慰めを受けながら、3人でつつましく暮らしていた。

ある日モードは、洗濯物を届ける途中で、女性の参政権獲得を目指した活動をしているWSPU(女性性社会政治同盟)の活動現場に遭遇する。そんな中、職場の仲間のバイオレット(アンヌ=マリー・ダフ)に誘われたモードは、活動家イーディス(ヘレナ・ボナム=カーター)と出会う。彼女は理解ある夫ヒュー(フィンバー・リンチ)の全面的な協力をもらって活動を続け、なんと9回も逮捕されていたが、二人の店である薬局が、活動の秘密の集会所となっていた。

未来を花束にして
(C) Pathe Productions Limited, Channel Four
Television Corporation and The British Film
Institute 2015. All rights reserved.


モードは、夫に暴力を振るわれて傷ついたバイオレットの代わりに、法律改正を求めて、下院の公聴会で証言をすることになる。低賃金で長時間労働という洗濯工場のひどい環境や、7歳から洗濯工場で働いていた自分の身の上を語っていくうちに、モードは今とは別の生き方を望んでいる自分に気づく。しかし法律改正にはならず、それに抗議したデモに参加した多くの女性たちが警官とぶつかり、逮捕される者も出る。モードも、警察につれていかれる。

そんな彼女たちを力づけるのは、WSPUのリーダーであるエメリン・パンクハースト(メリル・ストリープ)だった。「将来生まれる少女たちが、兄や弟と同じ機会を持てる、そんな時代のために闘うのだ」という言葉に共感を得たモードは、自分たちの活動に確信を得ていった。しかし、母親として生きて欲しいと望む夫サニーには理解されず、活動を続けるのならジョージと会わすわけにはいかないと家から追い出されてしまう。

未来を花束にして
(C) Pathe Productions Limited, Channel Four
Television Corporation and The British Film
Institute 2015. All rights reserved.


新聞に写真が載ったことから、工場もクビになる。何もなくなってしまったモードは、「今こそ行動を」というパンクハーストの言葉に促され、女性たちは過激な行動へと変わっていく。自分たちの闘いを世界に知らせるため、国王への直訴を思いついたモードたちは、国王がやってくるダービーへと向かうのだった。

 

彼女たちは集会のときに、帽子に花を付けていました。日本でも、女性の参政権を得るために、平塚らいてうや市川房枝たちが先頭となって、大きなうねりを作っていきました。今では当然のようにしている選挙ですが、日本でも、イギリスでも、このような過酷な闘いがあり、そのために人生をささげた多くの女性たち、そして協力した男性たちがいたことを、この映画をとおして学びたいと思います。



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