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新刊のご案内
路上からの復活
- 著者：木崎 さと子
- 定価：本体1,300円＋税
- 四六判 並製 196ページ
- ISBN978-4-7896-0689-9 C0023
以前、『他人の重み』という本を読んだことがありました。今回、本書を読みながら、同じアベ・ピエール、それも、晩年までのアベ・ピエールに出会えたという思いで、心が温かく満たされました。
本書は、2007年に94歳の生涯を閉じたフランスの良心・アベ・ピエールの伝記です。このように、一言で言うには、本書をあまりにも軽すぎる扱いをしているように感じます。
芥川賞作家である著者が、アベ・ピエールの少年時代から、「エマウス」を始めるきっかけになった出来事、常に、家のない貧しい人のために自分のお金だけでなく、時間もエネルギーもすべてを差し出し、その人びとから「おとっつぁん」と慕われ続けながらも、そのいのちの最後まで、彼らのために使い尽くした一人のカトリック司祭の生き方は、非常に魅力的であり、心を打ちます。
と同時に、彼の成し遂げた偉大な働きだけではなく、彼の、真にキリストを求め、キリストと共に歩み、遂に、もう一人のキリストのようになった一人の人の生き方に心が打たれます。
深い祈りと、火のような言葉で、多くの人びとの心の中に眠っていた良心に訴えかけ、フランス社会を神に目覚めさせた人でもありました。
万言を費やして本書を紹介するよりは、ぜひ、一読することをお勧めしたいです。かならず、読者も、アベ・ピエールの魅力のとりこになることでしょう。
女子パウロ会 発行