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10周年を迎えた「アレオパゴスの祈り」

2007/06/22

東京修道院で、毎月第一土曜日の夜行われている「アレオパゴスの祈り」が、6月で10周年を迎えました。6月2日(土)の「アレオパゴスの祈り」では、10年の歩みを感謝して祈りました。

「アレオパゴスの祈り」がはじまったのは1997年6月7日です。webサイト“Laudate”で、若者の黙想会のお知らせを載せたところ、定員以上の参加希望がありました。その中には、キリスト教について知らない人、勉強中の人、プロテスタントの方もいらっしゃいました。祈りのときを求めている人が、たくさんいらっしゃることが分かりました。だったら、わたしたちの聖堂を開放して、祈りのときを提供しようということになりました。

アレオパゴスの祈り


まず、祈りの名称を考えました。キリスト教の信者でない方も、神について知らない方も、だれに向かって祈っていいかは分からないけれど、人智を越える方に向かって祈り求めたいという思いがあるのでしょう。このことを端的に語っているパウロの言葉があります。

アテネの町に来たパウロは、復活したイエスについて人々に向かって熱心に宣教し、哲学者たちと語っていました。彼らは、パウロをアレオパゴスに連れていき、彼に話させました。「アレオパゴス」とは、哲学者たちが議論するために集まった場所でした。アレオパゴスの真ん中に立ったパウロは、アテネの人々に向かってこう言いました。

「アテネの皆さん、あらゆる点においてあなたがたが信仰のあつい方であることを、わたしは認めます。道を歩きながら、あなたがたが拝むいろいろなものを見ていると、『知られざる神に』と刻まれている祭壇さえ見つけたからです。それで、あなたがたが知らずに拝んでいるもの、それをわたしはお知らせしましょう。」(使徒言行録17.16~17)

洗礼を受けているとかいないとかは関係なく、“祈りたい”という人はどなたでもこの聖堂に集まって一緒に祈ることができたる、そんな祈りにしました。

祈りの進め方は、わたしたちが毎日行っている一時間の聖体訪問の祈り(わたしたちはこれを「ヴィジタ」と呼んでいます)と同じように「道・真理・いのち」の方法を基本にして行いました。イエスの言葉、つまり聖書の朗読=真理を知る、聖書の箇所を理解する、つまり真理をどのように生きたらいいかを知るための解説=道、そして、イエスのように生きることができるために恵みを求めて祈りました=いのち。祈りは主に、女子パウロ会の祈りの本『パウロ家族の祈り』の中から祈りました。

祈りに入る前に、心を落ち着かせて祈りの心を準備するために、祈りに招くような静かな曲をCDで流しました。テゼの曲が主でした。また、座って祈るだけでなく、行動的な祈りができたらと思い、祈りをローソクの炎に託してコップローソクを祭壇にささげることにしました。ローソクをささげるときは、祈りのテーマや季節の典礼にあわせた曲をCDで流しました。


アレオパゴスの祈り アレオパゴスの祈り
祭壇にローソクをささげる 祭壇のローソク

祈りを担当するシスターだけなく、他に10~20人ほどのシスターが参加して一緒に祈りました。

一時間のお祈りが終わっても、聖堂の前で、参加者同士が、またはシスターたちと話がはずみ、去りがたいという感じでした。

12月には、通常のアレオパゴスの祈りの他に、クリスマス会を行いました。通常よりは短い祈りですが、聖堂で主の降誕を祝って祈り、その後はホールで手作りのサンドウィッチと菓子の、ささやかなクリスマス・パーティーを行いました。自己紹介をしたり、「アレオパゴスの祈り」の感想を分かち合ったりして、交わりのひとときを過ごしました。

お友達やご家族を誘ってきてくださる方、毎回欠かさず参加してくださる方、数年ぶりに参加という方などもいらしゃいます。毎回20~30人ほどの方が参加され、その数は10年間で、のべ3000人になりました。そのような中から、洗礼を受けた方、結婚した方、修道会に入られた方などがいらっしゃいます。

アレオパゴスの祈り
祈りの後、ホールで歓談

この10年間、本当にありがとうございました。長かったようで短かった10年です。忙しい日本の社会にあって、静かに自分を見つめる時間がますます求められることでしょう。これからも、ご一緒に祈れたらと思います。同じ時間と空間を共有しているお互いのために、また祈りを必要といている方々のために、これからも「アレオパゴスの祈り」を続けていきたいと思います。ご一緒に祈りましょう。

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