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新世紀ルーツへの巡礼

目次

使命への準備へ

蒔かれた一粒のシード

『ガゼッタ・ディ・アルバ』誌
『ガゼッタ・ディ・アルバ』誌

社会問題の取り扱い方は、どのようにとらえるかについては、とてもデリケートなことです。アルベリオーネ神父の時代において、アルバの司祭たちの間でも、どのようにとらえるかにより、ある種の分裂が起こりました。この分裂のために、アルバ司教区報『ガゼッタ・ディ・アルバ(Gazetta d'Alba)』誌(週刊新聞であった)は、大きな責任ある役目を果たすことになりました。

『ガゼッタ・ディ・アルバ』は、1882年、時の司教であるモンシニョール・パンビリオによってはじめられたものです。この教区報は、各地の情報や地域の中の知名人の紹介、さまざまの祝詞や弔辞を伝えていました。ですから、多くの人たちからも喜ばれていました。

いわゆる革新派と呼ばれる人々は、その新聞の上記のような特徴を変えようとしたのですが成功せず、それに対立する新しい週刊誌『アルバ ヌォーバ(新しいアルバ)』を発行したのです。しかし、これは長くは続きませんでした。

1913 年、『ガゼッタ・ディ・アルバ』誌の編集長は、トリノ大司教区から来たヨアキム神父でした。彼は頭がよく、筆がたち、政治問題にも関心が深かったのですが、ゆきすぎることも多々ありました。このため、良書出版協会のメンバーはこの編集長に信頼できなくなり、職務を交代させることにしました。良書出版協会会長からこの任務を依頼されたのが、アルベリオーネ神父でした。

アルベリオーネ神父は、良書出版協会では最年少者でしたが、非常に活発な、影響力のあるメンバーで、『ガゼッタ・ディ・アルバ』誌上には人民同盟についてたびたび寄稿していました 。

良書出版協会会長は、自分の意をアルベリオーネ神父に話すと、彼はそれに同意しました。その後、会長はアルバのフランチェスコ・レ司教に同意を求めたのでした。

アルベリオーネ神父の新しい任務は、司教からのイニシアティブではなかったのです。フランチェスコ・レ司教は、アルベリオーネ神父がすでに非常に多くの仕事をかかえているのを承知しており、中でも第一の任務であった神学校の霊的指導者ということを、新しい任務のために、第二義的なものになってはと思っていたのでした。

モレッタの聖母聖堂内部
    モレッタの聖母聖堂

モレッタの聖母像
    モレッタの聖母像

1913年9月8日、聖マリアの誕生の祝日のことでした。フランチェスコ・レ司教は、アルバのモレッタの聖母聖堂で、マリアのみ名についてアルベリオーネ神父が説教したとき列席していました。

その説教で彼は、マリアの使命は、世界にキリストをもたらし、キリストを与えることなのだから、マリアが母として治める国をうちたてるようにと、信徒に話しました。

説教の後、司教は彼を呼んでこう言われたのでした。「さあ、今までしてきた司祭としての通常の役務に、もう一つ、非常に大事な任務を加えよう。」と。

アルベリオーネ神父は、レ司教の意志にそって、アルバ司教区報『ガゼッタ・ディ・アルバ』の編集責任者になったのでした。

司教の認可を得た会長は、1913年10月20日付けで、良書出版協会の公式文書を彼に送ったのでした。これを受けたアルベリオーネ神父の返事は、聖パウロ会の記録保存所に残されています。

良書出版協会会長 ルイジ・シボナ神父様

 司教の同意のもとにある良書出版協会、および、私に通告なさった(1913年10月20日)あなた様による『ガゼッタ・ディ・アルバ』誌編集責任者の任務をお受けいたします。あなた様の望みに従い、同紙43号をもってただちに着任いたします。
 また、私に提供された条件年給200リラと、同職務に連係する責任をお受けいたします。
あなた様と、良書出版協会より受けた信頼に、出来るだけ応えることができるよう希望しつつ。

ヤコブ・アルベリオーネ神父

アルベリオーネ神父の『ガゼッタ・ディ・アルバ』誌の受託は、良書出版協会にとっては、自分たちの問題を解決することなり、アルベリオーネ神父にとっては、この週刊誌の編集は、彼の神からいただいたビジョンにつながる ミッションの旅への第一歩でもあったのでした。

それはまた、「あの夜」以来、心に抱き、待ちながら探し、たたき続けてきたドアが開かれるかどうかという出来事でもあったのです。

『ガゼッタ・ディ・アルバ』誌

創立者の目

1914年2月10日に、良書出版協会は、アルベリオーネ神父と『協定書』を結ぶことになります。それによって、『ガゼッタ・ディ・アルバ』誌の所属、経営の自由、及び同紙の編集方針」は、アルベリオーネ神父自身のもとに移ったのでした。

『ガゼッタ・ディ・アルバ』誌は、その時点で赤字をだしていましたが、そのあらゆる負債を支払い、協定内容に基づく同紙の全責任を引き受けたのでした

良書出版協会から引き受けたというものの、経済的には非常に困難なことであったことはいうまでもありません。しかし、アルベリオーネ神父にとって、このことも自分が神からいただいたミッションへの新しい道への一歩、神から備えられた道を開くことであると感じ、受けとめていたのでした。

◆1--4 使命への準備


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