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新世紀ルーツへの巡礼

目次

 新しい世紀に向かっての歩み

11) 総会への教皇のメッセージ


1995年9月4日、総会もほぼ終了にある時、教皇ヨハネ・パウロ2世はカステルガンドルフォにおいて総会参加者にミサと謁見を行い、次のようなメッセージを送られました。

この謁見について総長は、回状の中で書いています。

今朝、私たちがいただいた恵みの喜びを深い感動をもって皆さんに分かち合いたいと思います。それは教皇の夏期滞在地カステルガンドルフォの中庭で、教皇ヨハネ・パウロ2世が、私たちと他のわずかな人たちのためにささげられた私的なミサに出席できたことです。

教皇は、ミサの中で各国の言葉で歌った私たちの歌に聞き入っておられました。そしてミサ後、私たちのところにこられ、自然な様子で親しくとどまってくださいました

私たちはすべての会員の名によって、自分たちが使徒の心をもって主イエスに固く結ばれ、現代のコミュニケーションによってつくられたこの「新しい文化」の中で、教会に奉仕したいとの望みを申し述べることができました。そして、教皇の心にかかるすべての人の贖い、「世界の人びとへ」の宣教、平和、教会の一致、第三の千年期への準備として示された回心の歩みを実現するために、社会的コミュニケーション手段による私たちのあかしと告知の任務を確認しました。

全世界のパウロの娘たちの製作物を入れた大きな三つの箱をシンボリックな贈り物として贈呈しました。 私たちにとって忘れられないこの時を、教皇様は、使徒的祝福と明解で深いメッセージによって確認してくださいました。総会の歩みを照らすこのメッセージを皆さん全員にお伝えしたいと思います。
教皇のメッセージ

親愛なる姉妹たち、「聖パウロの娘たち」!

あなたがたは「コミュニケーションの世界におけるイエス・キリストの使徒、聖パウロの娘たち」というテーマで、第7回総会を行うために世界の50余か国からローマに来ています。

皆さんを歓迎し、キリストと教会への忠実のしるしであるあなたがたの存在のゆえに感謝しています。総長シスタージョバンナ・カッラーラとその顧問の姉妹たち、総会委員である皆さん全員と、キリストのメッセージの不滅の価値をあかしするために世界に散在する聖パウロ女子修道会のすべての姉妹たちに、私の親しいあいさつを送ります。

皆さんの長年にわたる働きを心から評価します。神の恵みに深く信頼し、重要で、将来性に富むこの総会が、修道会全体に刷新された熱意をもたらすように願っています。それは皆さんが聖師イエスを告げ知らせるために、よりいっそう彼に聴き従うためです。じつにあなたがたの創立者、ヤコボ・アルベリオーネ師はこう言っておられました。

「この貧しく、尊大な世界にイエス・キリストを与える以上の大きな富はない……世界は、道・真理・いのちであるイエス・キリストを必要としている」と。

聖パウロの娘たちのカリスマは、コミュニケーションの分野で師イエスのあかしとなることにあります。ですから、あなたがたの第一の基本的な特徴は、受肉されたみことば、イエスが唯一、最高、不滅、宇宙の師であられ、真理そのものであるとの確信に満ちたものでありますように。

「知恵のある人はどこにいる。学者はどこにいる。この世の論客はどこにいる。神は世の知恵を愚かなものにされたではないか」という聖パウロの問いに今日もなお同じ答えです。「神の愚かさは人よりも賢く、神の弱さは人よりも強いからです」(1コリント 1.20、25)。

人間の弱さを身にまとわれたイエスは、神の「もっとも力強い」知恵の決定的な現れです。
彼は真理であり、世の光です。彼のメッセージは不変、不朽のものです。人びとと時代の変遷をとおして、彼はみことばと、聖霊の助けを約束し、確固たるものとする教会の教えをもって時の流れの中に現存しておられます。「彼はあなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである」(ヨハネ 16.13)。それゆえ、使徒たちと同じ確信をもって、私たちはイエス・キリストが人間の唯一、普遍の贖い主であると断言します。

現代の強力で効果的なコミュニケーションの手段によって、彼を告げ知らせることができることはなんと偉大な恵みでしょう! そのような手段をもって、人びとが、イエスの人としての言葉、神としての言葉を見いだせるようにすることは緊急な務めです! 「疲れた者、重荷を負うものは、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしに学びなさい。そうすればあなたがたは安らぎを得られる」(マタイ 11.28-29)。

親愛なる「聖パウロの娘たち」!

あなたがたは真理に対して忠実であり、人間を尊敬し、言葉とイメージを用いる時には誠実な模範となってください。あなたがたのあかしの義務は大きく、厳粛なものでもあります。
なぜなら、あなたがたはコミュニケーションの使徒だからです。イエスは、あなたがたの奉仕が啓発的で、言行一致、勇気づけるもの、けっして逸脱したり、挑発的でないように要求しておられます。師イエスは、あなたがたが、彼が啓示した真理を正しく知り、教会の一貫した継続性と司牧的配慮によって時代の中で進歩していく教会の教導に完全に一致することを望んでおられます。世の人びととの対話は真理に関してはけっして譲歩されず、またそれによって特徴づけられてはならず、キリストから遠ざかった生活をして妥協することがあってはなりません。

人間に対する尊敬と愛徳は、キリストの真理、人類の唯一まことの師が、人を自由にし、救い、御父との完全な一致へと高めるという確信に結ばれていなければなりません。

ヤコボ・アルベリオーネ神父は、1960年4月、聖パウロ修道会の1カ月の黙想の中でこう言っておられます。「真の聖人のめざすところ、従うべき命令はただひとつ。それは『キリストこそわたしのうちに生きておられる』。私たちは『キリストの使者』であって彼は私たちをとおして勧めを与えられる。主は私たちのうちにいとも素直な道具をおみつけになり、私たちを働かせ、私たちをお呼びになり、さらに種々の状況や困難を通り抜けさせてくださる。彼は私たちの忠実さがなくならないように、表面的で逸脱した成功の誘惑に負けないように望んでおられる。」

これが、あなたがたの創立者の遺訓です! 皆さんはこれに忠実でありつづける義務があります。総会を終えて日常の務めにもどる時、皆さんはほんとうに師イエスの「いとも温順な道具」であってください。そして、アルベリオーネ神父が言っておられたように「あなたがたは、イエスの心、マリアの心、聖パウロの心で、深く愛しなさい」。

私の心からの祈りと使徒的祝福が、皆さんと修道会全体、そして愛するすべての人の上にありますように。

◆11-新しい世紀に向かっての歩み


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