home > 女子パウロ会とは > 新世紀ルーツへの巡礼 > 11-新しい時代:刷新の歩み > 11-3 新しい世紀に向かって

新世紀ルーツへの巡礼

目次

 新しい世紀に向かっての歩み

04) 新しい世紀に向かって 1:使命という視点での私たちの救いの歴史

総長回状

新しい世紀に向けて歩みはじめた修道会は、1992年の歩みを総長は、「教会と世界における聖パウロ女子修道会のあり方、使命」というテーマを打ち出しました。

「教会はすべての精力を『新しい福音化と諸国民への使命』とに向ける時がきている、との教皇の言葉を私たちも受け入れましょう」と総長は言っています。

「教会と世界における聖パウロ女子修道会のあり方について考察するためには、使命という観点から見た私たちの救いの歴史の読み直しが必要です」と述べ、総長自身が修道会の歴史を読み直しています。

歴史を振り返ることは、創立者が述べる「二重の歴史」、つまり「神の慈しみの歴史を語り、次いで、神のきわみない愛にふさわしく応えなかった面目ない歴史を物語る」ことでもあるのです。

この考察を、まず 1)使命という観点から見た私たちの救いの歴史の読み直しを行い、その後 2)変化する社会の中で私たちの共同体が使徒職を果たす状況について考察しています。

1)使命という観点から見た私たちの救いの歴史の読み直し

・ 印刷からすべての社会的コミュニケーション手段へ

私たち聖パウロ女子修道会の歩みは、あまり知られていないアルバの教会からはじまりました。 しかし、神のみ言葉がすべての人に行き渡るために、良い出版物を使うという明確な使徒的自覚ではじまりました。

初期の姉妹たちは貧しい手段ではありましたが、宣教のわざを遂行していると確信していました。彼女たちが働いていた小さな印刷所、製本所、書院は教会の説教壇であり、良い印刷物による宣教はまちがいなく使徒職であり、「人びとに良い出版物を与えることは、ご聖体を運ぶようだ」と固く信じていました。

初期の私たちの姉妹は、何の予想もなく、また、将来の発展を計画することもなく、信仰をもって歩みました。まもなく彼女たちの使徒職の展望は広がりました。アルバから世界全体へ、印刷から普及へそして編集へ、もっと後になってからは、印刷から遅ればせながらニューテクノロジーまで、すべての社会的コミュニケーション手段へと。

すべての国々では、主は寛大な召命をくださり、この方たちは非常にまじめに働いて、修道会が世界の大部分の地域に堅実に根をおろし、異なった文化の中で、その国の文化に従って働くことができるようにしてくれました。

以上のことは修道会に普遍的な姿を与え、そしてそれぞれの民族にある人間的な豊かさと神的な豊かさによってカリスマは富まされました。隠れていても働く聖霊は、私たちの貧しさと弱さに実を結ばせながら、私たちを前進させてくださいました。

・創立者の導きによる発展と福音宣教の方法

修道会は、アルベリオーネ神父とシスターテクラ・メルロの指導のもとに発展しました。この2人は直接に、しかも長い歳月の間、すべての会員の中に強い使徒的精神を育ててくれ、その使徒的精神から大きな創造性と、際限なく喜びに満ちた犠牲の精神があふれ出ました。

聖パウロの精神の中に実現した、文化受容のための正確な方向づけは、1938年からアルベリオーネ神父とシスターテクラ・メルロによって私たちに与えられました。

「言語、風習、要求、法律、しきたり、習わしなどなど……に適応するように。聖パウロがしたように」と。

1955年にアルベリオーネ神父は、単に適応することだけではなく、公会議の方向づけを予見して、福音化のために文化の中にある豊かさを評価するようにと駆り立てていました。

彼は東洋に関して「東洋での使徒職が、他のところでもそうですが、良い実を結ぶためには、その国の歴史、伝統、習慣、ときには古代文明……を踏まえていることが必要です……。

神のみ言葉が異なった文化の中に広がるように、タイミングよくあらゆる手段に開かれていることを創立者から私たちは学びました。

すでに1948年に、聖パウロ女子修道会の黙想で次のように言われています。「映画やラジオがとって代わるために印刷所は縮小されることもできますが、キリストを知らせるという役割は残ります。教会は前進します。私たちは教会と共に歩みます。時、人間の能力、神の摂理が手段を提供するでしょう」 。

……私たちの手段はともすると、利潤を求める誘惑に誘いますが、それらから守り、道・真理・生命である師キリストを示し、輝かせるものとして使徒職を理解するように、私たちを教育したのはアルベリオーネ神父です。

今日広く行われている、統合した福音宣教の方法を使うようにと、私たちを教育したのもまたアルベリオーネ神父でした。彼は福音だけではなく「すべてをキリスト教的に」話すように私たちを導き、全人間を対象とし、そして信仰の伝達のあらゆる次元を考慮するようにと教えました。

この「初期の恵み」は、カリスマに基づいて文化の変化を読みとり、たえず発展する現実に気を配り、ダイナミックに同じカリスマを生きることを助ける、私たちの不動の拠点です。

次回は、2)変化する社会の中で私たちの共同体が使徒職を果たす状況についてお伝えします。

◆11-新しい世紀に向かっての歩み


▲ページのトップへ