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どうしてシスターに?

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シスター ピエール・マリア 近藤ルミ子

召命へのきっかけ

シスター近藤ルミ子


わたしの召命のきっかけは、キリストとの出会いに始まるように思います。それは社会人として働き始めて5年くらいたったころで、職場での対立が起きたり、持病であった椎間板ヘルニアが悪化し、どうにも自分には乗り越えられないような困難に直面していた時期でした。

そのころ、偶然手にとったヒルティの『眠られぬ夜のために』という本から、聖書を読むようになり、その苦しみに対する答えと慰めを聖書に探し求めるようになりました。新約聖書に出てくる貧しく病んでいる人々とキリストとの出会いが、まるでわたし自身の出来事であるかのように感じられ、「わたしはキリストに捕らえられました。この人だけはわたしを決して見捨てない」という喜びと確信がわたしを満たしてくれました。

こうした体験をきっかけに、最寄りのプロテスタント教会に通うようになりました。しかし、ほどなくして「これほどの恵みをくださった神様に、病気が治ったら、自分のこれからの人生をささげていこう」という修道生活を望む思いが起こってきて、カトリック教会に行くようになりました。

そして、代母や同世代の仲間との出会いによって、率直な思いや悩み、疑問を分かち合う場を持つことができ、また、日曜の夕方のミサの手伝いをとおして、教会共同体の交わりにも触れる機会を持つことができました。カトリックの要理を学び、洗礼を受けるという恵みもその中で自然に整えられました。

それから2年ほど経ったころ、代母からそろそろ入る修道会を決めてはどうか、という提案と、聖パウロ女子修道会を考えてみてはどうか、という薦めがありました。わたしはどういう会なのか知らなかったこともあって少し躊躇していましたが、偶然そのとき帰省されていたシスターたちと出会い、わたしもこの会と関わりをもってみようと思うようになりました。わたしとしてはそのころには体調もよくなり、仕事も教会での活動も充実していましたので、ゆっくり考えればよいという程度の気持ちでした。

ところがしばらくして、職場で急にわたしが所属していた部門を閉鎖することになり、わたし自身も他の職場か、部門に移ることを考えざるを得ない状況が起こりました。今思えば、仕事を失うことの不安や恐れが、必死に次の道を探そうと突き動かしたのですけれども、そのことをきっかけに、与えられた出会いの意味を真剣に受けとめるようになりました。

そして、「門は開かれています。そこに入るか、入らないかはわたし次第なのだ」という神から招きと呼びかけを感じ、2003年の6月30日に召し出しに答える歩みが始まりました。

この歩みを振り返るとき、本当にすべては神様が準備し、適当な時期に必要なものを与えてくださったのだと感じます。これからの道のりがどういうものであるかはわたしには分かりませんが、いつも神様が共にいてくださることに信頼して、「はい」と答え続けていきたいと望んでいます。


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