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シスター三木の創作童話

まくらちゃん

しげるちゃん


しげるちゃんが たいせつにしているもの
それは 真四角のふわふわのクッションです
しげるちゃんは 夜やすむとき
このクッションを まくらにします
そのわけは このクッションに
『まくらちゃん』って アップリケがしてあって
それから 四つの角に
かわいいボンボンが ついているからです

ある夜 夢の中で『まくらちゃん』は いいました
ぼくは『まくらちゃん』だよ
みんなぼくをかわいがってくれて ありがとう
でもね ぼくは いつも ざんねんに思うことがあるんだ
それはね ぼくは
イエスさまのあたまを やすませてあげたことがないんだよ
だってイエスさまは お生まれになったときは わらの『まくら』
おうちが びんぼうだったから
こんなフワフワのまくらを もっていらっしゃらなかったし

それに 神さまの教えを つたえていらっしゃったときは
石や 木の根っこがまくらだったよ
まくらちゃんは さびしそうでした

しげるちゃんは 夢の中の『まくらちゃん』のことばを 思い出しながら
ぼんやりと 窓の外をながめていました
「あっ そうだ そうだよ
『まくらちゃん』だいじょうぶだよ
天国のイエスさまはね ほら あのふわふわの雲を
まくらにしていらっしゃるよ」
しげるちゃんは 目をかがやかせていいました

青い 青い空には 白い雲が ぽっかりと

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