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聖書を読もう!

聖書各書のミニ知識

出エジプト記

「出エジプト記」は、「創世記」の後にくる書で、「モーセ五書」の第二書、その中心部分にあたるばかりでなく、イスラエル歴史とモーセの律法の要点を含んでいる書です。この書は、「モーセの律法」とか、「モーセの書」とも呼ばれることがあります。

歴史書に属するとはいえ、時代順に出来事を述べているわけではありません。神がモーセを召し出し、彼に使命を与え、イスラエルの民をエジプトの奴隷状態から救いだし、シナイに導かれ、モーセを介して民と契約を結ばれたことを物語る宗教的歴史書なのです。つまり、神学的解釈をもって歴史の出来事を描写しているわけです。そこには、民の不信仰、罪にもかかわらず民を愛され、いつくしまれる神が描かれています。

要は、「出エジプト記」は、神が契約によってイスラエルの民を聖別されたことについての歴史書です。「十のことば」であらわされた契約(十戒)は、「出エジプト記」の頂点、旧約聖書の心臓部にあたっています。

この書の著者は、一人が書いたものではなく、口伝、いくつかの伝承によっています。モーセの言い伝えが、多くの人により、異なる社会状況、異なる時代背景のもとに書き記され、編集されて完成されていったのです。今でもいつ、どのようにこの書が構成されていったかについては、研究されていっています。

出エジプト記の構造と内容
序文
(1.1~22)
エジプトにおけるイスラエル人  
  イスラエル人の惨状 1章
神がお与えになった指導者モーセ
(2.1~7.13)
   
モーセの生い立ち:誕生と養子縁組 2章
モーセの召命と使命:JE伝承による 3.1~6.1
              P伝承による 6.2~7.13
エジプトからの解放
(7.14~18.27)
エジプトの災害-過越 7.14~13.16
  第1の災い:水が血に変わる 7.14~25
  第2の災い:かえるの群がり 7.26~8.11
  第3の災い:ちりがぶよとなる 8.12~15/td>
  第4の災い:はえの群れ 8.16~28
  第5の災い:家畜の疫病 9.1~7
  第6の災い:はれ物 9.8~12
  第7の災い:雹 9.13~35
  第8の災い:いなごの大群 10.1~20
  第9の災い:暗闇 10.21~29
  第1の災い:水が血に変わる 7.14~25
  最後の災い:  
   神の予告:初子の死の宣言 11章
   過越の仕方 12.1~27
   過越の実行、初子の死、エジプト脱出 12.28~42
   過越の補足的おきて 12.43~51
  初子の聖別、イスラエルの初子はなぜ神のものか 13.1~16
葦の海の奇跡(紅海の渡行) 13.17~15.21
  紅海に向かう、紅海を渡る 13.17~14.31
  勝利の賛歌(葦の海の歌) 15.1~21
シナイへの荒れ野の旅 15.22~18.27
  マラの苦水 15.22~27
  うずらとマナ 16.1~16.33
  岩からほとばしる水 17.1~7
  アマレクとの戦い 17.8~16
  モーセの舅エトロの訪問 18章
契約・律法
(19.1~31.18)
シナイにおける契約 19.1~24.18
  イスラエルの民、シナイへ着く 19.1
  神はイスラエルに契約を示す 19.2~8
  契約の準備 19.9~15
  神の顕現 19.16~20
  契約の基本法(十戒)、神礼拝の作法 20.1~21
  契約法典(十戒の具体化) 20.22~23.33
  契約の批准 24章
幕屋建設の指示 25.1~31.18
  幕屋関係 25~27章
  祭司関係 28~29章
  祭壇関係 30~31章
イスラエルの背教と再契約
(32.1~40.38)
  金の子牛、神の怒り、モーセの嘆願、神の顕現、再契約の心得と約束 32.1~34.9
祭儀十戒(十戒の再授与) 34.10~35
幕屋の製作と組み立て 35.1~
  安息日の布告 35.1~3
  神礼拝の施設と奉仕者  
  幕屋関係 35~37章
  祭司関係 39.1~31、40.11~15
  祭壇関係 38章
  結びの言葉 40.16~33
契約成立のしるし 幕屋に栄光がとどまる 40.34~38

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