home>キリスト教入門>聖書を読もう!聖書各書のミニ知識>ヘブライ人への手紙

聖書を読もう!

聖書各書のミニ知識

ヘブライ人への手紙

「ヘブライ人への手紙」は、聖パウロの書簡の中の最後の書簡です。

著者について

初代教会において、この手紙の著者とこの書の正典性は区別されておらず、いろいろの議論がされてきました。今日ではこの書の正典性は認められていますが、著者についての意見は一致しているとは言えません。

東方教会においては、この手紙は思想的にパウロによるもので、直接の執筆は他の人であると、最初から言われていました。
 西方教会では、4世紀の終わり頃まで他の人の執筆によるものでないかと言われ、このことから正典性まで議論されてきました。4世紀以降、正典性について疑問を持つ人はいません。

著者の名がはっきりしなくても、この手紙の著者は、ギリシャ語のゆたかな、パウロの思想の後継者と関わりの深いユダヤ人キリスト者の一人であると言われています。

受取人

「ヘブライ人への手紙」は、他のパウロの手紙と異なり、受取人が明記されていません。しかし、伝承と内容からみて、キリスト教に回心したヘブライ人と言えます。

時代と場所

「ヘブライ人への手紙」が引用されている書から年代をみていくと、パウロの他の手紙の後からエルサレム滅亡(70年)の間とされています。書かれた場所についても決定するのは難しいのですが、一般的には1写本に書かれているローマと考えられています。

ヘブライ人への手紙の構造と内容
導入
(1.1~4)
第手紙のテーマ:キリストの地位と業績
説教の部 勧告の部
I:新約の優位
(1.5~4.13)
み子キリストは天使にまさる 聞いていることに心をとめよう
(1.5~14) (2.1~4)
神に忠実な大祭司キリスト 大祭司イエスを思いみよう
(2.5~18) (3.1)
キリストはモーセにまさる 最初の確信を最後までもつつづけよう
(3.2~11) (3.12~4.11)
力ある神のことば
(4.12~13)
II:真の大祭司イエス
(4.14~10.18)
恵みの座に近づこう
(4.14~16)
大祭司なるもの 信仰の完成を目指してすすもう
(5.1~10) (5.11~6.12)
大祭司キリスト
(6.13~10.18)
III:信仰を固く保つように
(10.19~13.17)
信仰にたっていのちを得よう
(10.19~39)
信仰の偉大な証人たち 信仰の証人たちと一般的勧告
(11.1~40) (12.1~13.17)
結びの挨拶と祝福
(13.18~25)

この手紙の著者は、初代教会の宣教内容と教えを資料として用いながら、独自の神学的な内容を提示しています。

・イエスによる旧約の完成:モーセの律法の重要な部分はキリストにあって成就していること、キリストの福音の律法がそれに取って代ったことを説く

・キリスト論:イエス・キリストは神の子であり、新約の仲介者、人類の兄弟、信仰の導き手であり完成者、新しい民の先導者、完全で最高の祭司……であること。

・神の民
などをのべ、最後に荘厳な祈りで終えています。

▲ページのトップへ