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聖書各書のミニ知識

士師記

士師記は、ヨシュアの死の直後からサムエル誕生前までのイスラエルの民の歴史を記したものです。

イスラエルの民のカナン定住に関する伝承は2つありますが、一つは「ヨシュア記」であり、もう一つはこの「士師記」です。士師とは、司法官のようなものです。

士師時代のカナンの諸民族は、都市国家を形成し、それぞれ王を立てていました。

カナン先住民の宗教は、豊穣をもたらす農耕の神々でした。その神々への礼拝の場は、聖なる高台でした。

この地に入っていったイスラエルの民は、主に山地に住み広がっていきました。やがて、イスラエルの民は、平野への進出のための戦いがはじまります。イスラエルの民は、カナンへの定住を通して、自分たちとは異なる文化、政治、経済活動、宗教に出会い、いろいろの面で変化に直面していったのでした。このような中で彼らの主を新しい状況の中でどう理解していくということでした。

「士師記」に出てくる士師は、12人ですが、実際はそれ以上だったと考えられており、12人はその数多い中から選ばれたひとであると言われています。

「士師記」は、長い時間をかけて今の形に編纂されました。この編纂作業は、ヨシュア時代と考えられています。そこで、それまで伝承として伝えられてきた「士師」の資料が申命記神学の枠の中で一つのものとまとめられました。この作業は長い時間がかかり、完成はバビロン捕囚期と考えられています。「士師記」の編集目的は「ヨシュア記」のそれとは異なり、律法に不従順であったことの結果を示し、イスラエルの民がカナンの地を一気に征服できなかったのは、まさにこの罪の結果であったことを示すことです。

この話には、
・背信
・民の苦しみ
・回心
・救い
 という4段階が描かれています。

士師記の構造と内容
プロローグ: カナン征服の続き 1章
先住民族の偶像礼拝に感化されたこと 2.1~3.6
士師たちの物語 3.7~16.31
1) オトニエル 3.7~11
2) エフド 3.12~30
3) シャムガル 3.31
4) デボラとバラク 4~5章
5) ギデオン 6~8章
6) トラ 10.1~2
7) ヤイル 10.3~5
8) エフタ 10.6~12.7
9) イブツァン 12.8~10
10) エロン 12.11~12
11) アブドン 12.13~15
12) サムソン 13~16章
エピローグ: ダン族 17~18章
ベニヤミン族 19~21章

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