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聖書を読もう!
聖書各書のミニ知識
サムエル記上・下
士師たちの時代が過ぎ、イスラエルに王が登場するいきさつが書かれている書がサムエル記です。サムエル記は、現在上と下に分かれていますが、元は1つのものでした。
ヘブライ語聖書では、16世紀まで1つの書であり、「70人訳」と呼ばれるギリシャ語聖書では、2つに分かれていました。
サムエル記はその名のとおりサムエルの話ではじまります。サムエルは、イスラエルの歴史における激動期に生まれました。彼は最後の士師、モーセ以後最初に登場する偉大な預言者です。
サムエル記は、サムエルという偉大な登場人物によるとはいうものの、実際は上と下の主人公はダビデと言った方がいいでしょう。
上においてサムエルは最初にサウルを立て、その後ダビデに油を注ぐと姿をけします。9章以降は、サウルとダビデの2人の王に関する物語です。19、28章に再びサムエルの死後の話が出てきますが、それだけです。
イスラエルの最初の王となるサウルは9章にはじめて登場し、31章と下の1章で息子ヨナタンと共に死去したことが報告されています。上の16章後、サウルもダビデに敵対するものとして描写され、「主の心にかなう者」ダビデが物語の中心になります。目で見ると以下のようです。

ダビデは信仰、軍人、指導者、王、支配者、友人としてすぐれていました。彼の犯した過ちは二つ、一つは忠実は家来ウリヤの妻バト・シェバに対して欲情を抱き、ウリヤを殺してまでも彼女を自分のものとしたこと、息子を甘やかしすぎたことです。ダビデはユダとイスラエルを統一し、統一国家を築き、宗教的儀式を再編成しました。
サムエル記は、救いの歴史の流れに重要な転換期に置かれている書として大切な書です。
サムエル記は列王記へと続いていきます。
サムエル記の構造と内容
| サムエル記II | ||||
| ダビデ | 王としてのダビデ | 1~9章 | ||
| サウルとヨナタンを悼んだダビデの歌 | ||||
| ダビデ、ユダの王となる | ||||
| イスラエルとユダの戦い | ||||
| ダビデ、全イスラエルの王となる。エルサレムを占領して首都とする | ||||
| ナタンの預言:ダビデ王朝の永遠の約束 | ||||
| ダビデ王の祈り | ||||
| ダビデの勝利 | ||||
| ダビデ・アブサロム・ソロモン | ダビデからソロモンへ | 10~20章 | ||
| ダビデとパト・シェバ事件(ソロモンの誕生) | ||||
| 部下の家庭を破壊したダビデ | ||||
| 預言者ナタンのたとえ話 | ||||
| ナタンの叱責とダビデの回心 | ||||
| ダビデ、自分の家庭の破壊に苦しむ | ||||
| アブサロムの敗北と死 | ||||
| エルサレムに戻ってからのダビデ | ||||
| 補遺 | 21~24章 | |||
| サウル家の生き残りの滅亡 | ||||
| ダビデの感謝の歌 | ||||
| ダビデの最後の歌 | ||||
| ダビデの人口調査への神の怒り | ||||
| 終結 | ||||
