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第112回 叙階の秘跡の効果

 
7 叙階の秘跡の効果

消えない霊印

叙階の秘跡は、洗礼や堅信の秘跡のときにお話ししたように、この秘跡を受ける人の心に消えない霊印を与えます。ですから、この叙階の秘跡を受けて司教、司祭、助祭になった人は、2度同じ秘跡を受けられないばかりか、「もう私はいやです。信徒に戻ります」と言って、この秘跡を取り消すこともできないのです。

叙階された役務者を通して働かれるのは、キリストです。司祭や助祭にふさわしくないと思われる行動があったとしても、救いをもたらされるキリストの働きが妨げられることはありません。


聖霊の恵み---

叙階の秘跡に固有な聖霊の恵みは、秘跡を受けるその人を、祭司・師・牧者であるキリストに同化させることです。こうして叙階を受けた人は、キリストの役務を果たすものとなるのです。

司教が受ける聖霊の恵みは、特に、勇気の恵みです。この恵みによって、司教は、すべての人、特に貧しい人、病人などに、無償の愛を注ぎ、キリストがそうであられたように、父のように、羊飼いのように、教会を力強く、賢明に導いていくことができるのです。

司祭は叙階の恵みによって、主の祭壇に仕え、み言葉をのべ伝え、霊的供え物と犠牲をささげ、神の民を一新させることができる豊かな聖霊の恵みを受けるのです。

助祭は、司教、司祭団との交わりのうちに、典礼とみ言葉と愛の奉仕によって、神の民に仕える恵みを受けます。

教会博士たちは、与えられる祭司の任務と恵みの偉大さをよく悟っており、イエス・キリストに命を投げ出して従うようにとの回心の強い促しを感じていました。

ナジアンズの聖グレゴリオは、『説教』の中で次のように書き残しています。

「他の人々を清める前に、まず自分自身が清められなければなりません。
人に教えることができるために、教えを身につけなければなりません。
他の人々を照らすためにはまず自分自身が光となり、
他の人々を神に近づけるためには自分が神に近づき、
人々を聖化し、手をとって導き、賢明な助言を与えるためには、自分自身が聖化されていなければなりません」。
 

「司祭とは、……将来、天上の祭壇にいかにえをささげ、キリストの祭司職を分かち持ち、……司祭は、将来は自分自身が神化され、他の人々をも神化させるのです」。

後ろに付けられている「要約」をよくご覧ください。次回からは、結婚の秘跡に入ります。

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