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第117回 結婚の同意


3 結婚の同意

結婚の誓約をおこなう当事者は、カトリックの洗礼を受けている一人の男性と、一人の女性です。この2人が自由に結婚でき、自由意志をもって、その結婚に同意するのでなければなりません。

「自由に結婚することができる」という意味は、次のことです。
1)その結婚が強制されたものでないこと。
2)自然法、あるいは教会法から見ても、結婚の障害がないこと

「結婚を成立させる」ために欠かすことのできないものが、この当事者である新郎新婦の同意の交換だ、と教会は定めています。では、この同意とは、何を意味しているのでしょうか。それは、結婚式の中において、新郎新婦が互いに、「私はあなたを妻とします」「私はあなたを夫とします」という言葉で表されているように、互いに自分を与え、受ける人間行為で、2人の同意は、2人が「一体」となることで完成します。

「自由に結婚できる」ための条件として、「強制されたものではないこと」と申し上げました。ですから、恐怖のあまりとか、他人の権力によってとかでその結婚がなされるならば、その結婚は無効です。

結婚式には、司教や司祭、助祭が立ち会いますが、これは、教会を代表して2人の同意を受け止め、教会の祝福を与えるためです。このような、教会の役務者や証人が結婚式に立ち会うのは、結婚が教会の出来事だからです。

そのため、信者が教会の定める結婚の儀式に従って挙式をするように、教会は命じています。それは以下の理由によっています。
1)結婚の秘跡は、典礼行為ですから、教会の公の典礼の中でおこなわれることがふさわしいからです。
2)教会は、結婚した夫婦に、教会における夫婦間の権利と義務、並びに子どもに対する権利と義務を授けることによって、一定の身分を与えるからです。
3)結婚は、教会の中での生活様式の一つですから、結婚についての確証がなければなりません。その意味でも、証人の立ち会いが求められているのです。
4)同意を公に表すことによって、自分たちが表明した同意に支えられ、それを忠実に守るように助けられるこらです。

新郎新婦の同意が自由で責任あるものとなるため、また、結婚の契約が、人間として、またキリスト者としての堅固で永続的な土台の上に立つためには、結婚の準備がきわめて重要なことは、言うまでもありません。

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