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アレオパゴスの祈り

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アレオパゴスの祈り 2007年7月8日


桔梗

6月は、「アレオパゴスの祈り」10周年を皆さまとともにに祝うことができました。感謝のうちに、新しい歩みを始めたいと思います。今日のテーマは「喜び」です。

わたしが洗礼を受けたころ、先輩が「キリスト教の特徴は喜びです」と教えてくださいました。また、修道院に入り志願者のとき、長上から「喜んでいますか」といつも声をかけられたことが心に残っています。聖書の中に「喜びの句」を探したり、喜びについて書かれた本を読んだりしました。

聖パウロは「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。それこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。」(「テサロニケの信徒への手紙」5.16~12)と熱く勧めています。

今日は、皆さまと聖書が語る喜びと、これを生きた人々の言葉を味わい、この喜びがわたしたちの心の糧、生きる力となるよう喜びの源である神に祈りましょう。

『典礼聖歌』 No.99「しあわせな人」①②答唱③④

『パウロ家族の祈り』 p.26「神のみ前にある祈り」

    神よ、み前にあることを信じます。
    あなたはわたしを顧み、
    祈りを聞いてくださいます。
    偉大で聖なる主、あなたを礼拝します。
    すべてのものを与えてくださった主、
    あなたに感謝します。
    あわれみ深い主、罪深いわたしをゆるしてください。
    いつくしみ深い主、わたしに必要なすべての恵みを与えてください。

イエスの誕生はこの地上に、人々に真の喜びをもたらしました。ルカによる福音を聞きましょう。

朗読:ルカによる福音(2章8~14節)

そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、言われた。その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。

    「いと高きところには栄光、神にあれ、
    地には平和、御心に適う人にあれ。」

(沈黙で祈る)

成人したイエスは、先ずご自分といっしょに生活し、神の国の福音を述べ伝える弟子たちを呼び、町や村を巡り、罪の赦しと救いを人々にもたらしました。それは、人の生き方を変えてしまうほどの大きな喜びを与えるものでした。ルカによる福音を聞きましょう。

ルカによる福音(19章1~10節)

イエスはエリコに入り、町を通っておられた。そこにザアカイ という人がいた。この人は徴税人の頭で、金持ちであった。イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った。そこを通り過ぎようとしておられたからである。イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。

「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」

ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」しかし、ザアカイは立ち上がって、主に言った。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」

イエスは言われた。「今日、救いがこの家を訪れた。この人もアブラハムの子なのだから。人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」

(沈黙で祈る)

イエスは、当時の祭司長たちや、律法学者たちのねたみにより、十字架刑により亡くなられます。しかし、聖書に預言されていたとおり複活し、悲しみと絶望の中にいた弟子たちに現れ、喜びと平和を与えてくださいます。ルカによる福音を聞きましょう。

ルカによる福音(24章45~53節)

そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、言われた。
「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、あなたがたはこれらのことの証人となる。わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」

イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。


(沈黙で祈る)

復活されたイエスは、今わたしたちの中にとどまり、わたしたちに喜びと平和を与え続けてくださいます。この喜びと平和を生涯生き、人々に伝えたマザー・テレサの言葉を聞きましょう。

「喜びは、祈り。喜びは、力。喜びは、愛。」

「神さまにも人々にも感謝を表すいちばんいい方法は、すべてのことをよろこびをもって受け入れることです。」

「神さまは喜んで与える人を愛されます。喜びをもって与える人は、だれよりも多くを与えるものです。」

「喜びにあふれる心は、愛に燃えている心から自然に生じてきます。どんなことがあっても、復活されたキリストの喜びを忘れてしまうほどに、悲しみで心を満たしてしまうことの決してないよいうに。」

わたしたちは、この喜びを日常どのように生きたらいいのでしょう。


 (沈黙で祈る)

『カトリック典礼聖歌』 No.327「もとめなさい」#9312;

喜びについての言葉を聞きましょう。

「平和をもたらす人だけが、喜びを見いだします。人を傷つける人は、決してしあわせではありません。」(マヌ・ヌムリティ)

「人にほほえみかければ、そのほほえみはあなたにまた返ってきます。」インドの古語

「愛することを知っている人、そして、清い良心を持っている人、こういう人にとって人生は甘美で喜ばしいものです。」(トルストイ)

「喜びに恵まれない人をしあわせにするために今日、何かをしなさい。
悲しみを払いのけるために何かをしなさい。だれかの夢が実現するために尽くしなさい。
いそがしいと言わずに親切に挨拶し、旧交をあたためなさい。月日は飛び去っていく。
晩年はとりわけ早足で走り去ります。明日値打ちが出てくることを、今日行いなさい。
だれかが苦しみに打ち勝てるように助けてあげなさい。

親切、友情、快活、奉仕、-こうしてはじめて生きる真の喜びを知り、転の国の幸福をこの地上で見い出すのです。」(作者不明)

主イエスが、わたしたちにいのちをかけて与えてくださった喜びを明日も生きることができますように、祈りをこめて歌いましょう。

『カトリック聖歌集』 No.503「主イエスのみち」

「パウロの心はキリストの心」と言われた聖パウロの言葉をもって、今日の祈りを閉じましょう。

「主において常に喜べ。くり返して言うよろこべ。すべての人に柔和を示せ、主は近い何事も心配するな。祈り、願い、感謝して、求めることを神に言いなさい。あらゆる人知を越える神の平和は、あなたがたの心と思いを、キリスト・イエスにおいて見守ってくださる。(「フィリッピの信徒への手紙」4.4~7)

これで、アレオパゴスの祈りを終わります。

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