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アレオパゴスの祈り

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アレオパゴスの祈り 2013年10月5日


木の実



カトリック教会では、毎年10月を「ロザリオの月」として、教会の母である聖母マリアに取り次ぎを祈ります。10月7日は、ロザリオの聖母の記念日にあたります。

ロザリオの聖母の記念を祝うようになったのは、1571年のギリシア・レパントの海戦で、圧倒的に弱い立場であったキリスト教徒がオスマン・トルコ軍に対して勝利を収めたことを記念して、聖ピオ5世教皇(1566~1572)によって定められました。教皇ピオ5世は、すべての信者にこの危機を打開するためにロザリオを祈るように呼びかけました。人々は犠牲をささげ、行列をして祈願をしました。トルコ艦隊は、キリスト教艦隊をはるかにしのぐ数でしたが、10月7日、奇跡的に勝利を収めました。この勝利は、武力によるものではなく、ロザリオの祈りによってもたらされた聖母の助けによるものであると言い伝えられています。

また、「ロザリオの祈り」は15世紀に聖ドミニコとドミニコ会の修道士たちによって広められました。この聖ドミニコに聖母マリアが直接現れロザリオの祈りを教えられたという伝説もあります。今晩のアレオパゴス祈りでは、ご一緒にロザリオの祈りを唱えて、祈りを必要としているすべての人々のために、聖母マリアの取り次ぎを願ってささげましょう。

ローソクを受け取った方から、祭壇にお進みください。

ロザリオの祈りは、救い主の母マリアへの篤い尊敬から起こり、カトリック教会の中で培われ、愛されてきた祈りです。ロザリオとは、「バラの花園」を意味するラテン語から来ています。ロザリオの祈りと呼ばれるのは、珠を繰りながら唱える祈りが、ちょうどバラの花束を編むような形になるからです。

ロザリオの祈りは、喜び、苦しみ、栄え、光の4つの神秘があります。キリストの生涯を黙想しながら聖母マリアに恵みを取り次いでいただくためのとてもよい祈りです。世界中には、聖母マリアの取り次ぎによって、奇跡や恵みをいただいた出来事がたくさんあります。一つのエピソードをご紹介しましょう。

木のロザリオの珠(たま)

救急車がわたしの家の前にとまりました。2人の男性が家の中へ入ってきて、病気の母をストレッチャーの上にのせて、急いで立ち去りました。わたしたち6人の子どもたちは、すっかり見捨てられたような寂しさに襲われ、ただ空になった母のベッドを見つめていました。それは戦争が終わったばかりの1949年のことで、わたしはまだ13歳でした。

わたしたち家族が一緒に寝ていた部屋の唯一の飾りは、壁にかかった濃い茶色の木の大きな珠でできたロザリオでした。わたしたちは寝る前に、いつもみんなで主の祈りを1回、聖母マリアへの祈りを10回祈るロザリオの祈りを一緒に唱えることにしていました。母は、壁にかかっているロザリオを取り外して、わたしたち一人ひとりが交替で祈りの先導を勤め、それぞれの指で木の珠をまさぐりながら祈っていました。

母がいなくなってしまった今、わたしたちは母の病気回復の恵みを願って、ロザリオの祈りを続けることにしました。毎晩、みんなで大きな木のロザリオをもって祈りました。近所の人たちは、もうお母さんは病院から帰ってこられないだろうと、考えていました。

ところが、数週間後、母は回復して家に戻ってきたのです!  マリアさまが、わたしたちの願いを聞き入れてくださったのです。母は、ベッドから微笑んで言いました。

「あなたたちは、わたしの健康の回復をマリアさまに祈ってくれたのね。マリアさまはあなたたちの心からの祈りを聞き届けてくださったのよ。これからも、ずっとマリアさまに感謝してロザリオの祈りをしましょう!」

わたしは、何度もこのときの母の言葉を思い起こしました。あれから35年たった今、その木のロザリオは、ますます濃い色に輝いています。

  『マリアのたとえ話』ホアン・カトレット著(新世社刊行)

それではお手元のロザリオをご用意ください。初めての方もおられると思いますので、簡単にご説明いたします。最初に、先唱者が神秘ごとに、祈りの意向を言います。その後、主の祈りを1回、次にアヴェ・マリアの祈りを10回、そして栄唱を1回唱えます。この祈り方を1セットとして5回繰り返して祈ります。お手元のハガキと祈りのプリントも参考にご覧ください。主の祈り、アヴェ・マリアの祈り、栄唱が書かれています。今晩は、栄えの神秘を唱えます。ご一緒に唱えるこのロザリオを特に、シリア・中東のためにささげましょう。聖母マリアが、完全な平和的解決へと導いてくださいますように。

第1の神秘


第1の神秘  主のご復活
イエスは死にうち勝って復活し、わたしたちのために永遠のいのちへの道を開いてくださいました。この一連をささげて、わたしたちが、イエスの死にあやかることによって、その復活にもあやかることができますように、信仰の恵みを願って、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)

第2の神秘


第2の神秘  主の昇天
復活したイエスは、40日目に弟子たちの前で、栄光と勝利のうちに天に昇られ、父の右の座につかれました。この一連をささげて、わたしたちが、この世のものからの離脱を求め、神の国にふさわしいものとして生きることができますように、イエスの栄光ある体と形に変えてくださるよう聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)

第3の神秘


第3の神秘  聖霊の降臨
主が昇天されて、10日目、祈っていた弟子たちの上に約束されていた聖霊がくだり、弟子たちを照らし、強め、聖化します。この一連をささげて、弱いわたしたちが聖霊によって力づけられ、キリストの証人となることができるよう聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)

第4の神秘


第4の神秘  聖母マリアの彼昇天
マリアは、地上の生活を終え、与えられた使命を果たし、栄光に包まれて、体も魂も天にあげられます。この一連をささげて、わたしたちも母マリアのように、この世のいのちを全うして天に迎えられるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)

第5の神秘


第5の神秘  聖母マリアの戴冠
 マリアは天と地の女王として栄冠を受けられます。この一連をささげて、わたしたちがいつもイエスの目をもって世界の必要に心を向け、恵みを願い、天の栄光にあずかれるよう聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

主の祈り(1回) アヴェ・マリアの祈り(10回) 栄唱(1回)


カトリック聖歌集 No.621 「あめのきさき」① ⑥

2010年8月5日に南米チリで起こった、サンホセ鉱山崩落事故とロザリオの祈りのお話をご紹介します。

その日は、8月5日、雪の聖母の祝日でした。作業員は2つのグループに分かれて作業をしていました。地下460メートル地点で落盤事故が発生し、落盤による大量の土砂は、作業員の3メートル手前まで押し寄せてきました。事故発生当時、坑道出口付近で作業していたグループは速やかに脱出できましたが、奥で作業していた33名は坑内に閉じ込められてしまいました。鉱山作業員は全員男性で、32名のチリ人と1名のボリビア人でした。閉じ込められた作業員は通気孔からの脱出を試みましたが、通気孔にはステップが無く脱出は不可能でした。その後、8月8日にも地下510mの地点でも落盤があり、坑道は闇に包まれました。

事故後、17日たった日のことでした。生存は絶望視されていましたが、救助隊は確認のために地下700mにある避難所まで直径8センチのドリルで穴を掘りました。22日にドリルを引き上げたところ、先端に赤い文字で「我々33名は全員無事である」とスペイン語で手書きされた紙がつけられているのを発見し、坑内に閉じ込められた33名が避難所で生存していることが確認されました。

やっと連絡が取れ、世界中は喜び、そして熱心な祈りが始まりました。教皇ベネディクト16世は、33人の鉱夫たち一人ひとりにロザリオを送りました。現地のフランシスコ・ハビエル・エラズリス司教が、それを感謝して受け取り、地下の作業員たちへ届けました。

洞窟の中にチャペルが作られ、そこでロザリオが熱心に祈られ、聖母マリアの取り次ぎに期待しました。その祈りこそ、彼らの主な祈りとなり、支えとなりました。教皇は、イギリス・スコットランドへの訪問の旅に出かけられたとき、カンタベリーのロワン・ウイリアムス大司教とともに、聖エドワードのお墓の前で、鉱夫たちのために取り次ぎを願って祈りました。

救出のために穴が急ピッチで掘られ始めましたが、当時、救出されるのは、数ヵ月後のクリスマスごろという予想でした。気温35度、湿度90%という厳しい条件の中で長期間暮らすことは、もし、生存していたとしても、ほとんどの人は精神的なダメージを受けるのではないかと心配されていました。

しかし、救出のために懸命の作業が進められ、ついに、10月13日、地底からカプセルを通じて地上に搬送する方法で、全員が救出される日が来ました。それは、事故から69日後でした。その日は、教皇がスコットランドにある聖エドワードのお墓の前で祈った聖エドワードの祝日であり、また、ファティマでの、聖母の最後のご出現の記念日でした。

この出来事は、わたしたち人間の愛のチームワークの奇跡、惜しみない支援の連鎖によるものだったとともに、ロザリオの奇跡と呼ばれる聖母の助けに値する出来事とも言えるのではないでしょうか。

国連の国際労働機関は次のように指摘しています。「サンホセで発生した落盤事故は、世界的に見て珍しいことではありません。鉱山に関する仕事に携わっている人で、毎日6,300人の人が事故や疾病に遭遇しています。何万という人々が毎年、いのちを落としています。」

わたしたちは、この現実も忘れないように心にとどめ、世界中の鉱山作業者がより安全に作業できることを願って祈りましょう。

これで今晩の「アレオパゴスの祈り」を終わります。




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