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塹壕(ざんごう)の聖母 光といのちと愛

『塹壕の聖母 光といのちと愛』表紙

  • 文・絵:場﨑 洋
  • 定価:本体1,400円+税
  • A5判 並製  63ページ
  • ISBN978-4-88626-523-4  C0793
  • 発行:ドン・ボスコ社


この本は、1942年、ソ連軍に包囲されたドイツ軍兵士たちのクリスマスの実話をもとに書かれています。

 皆さんは、クルト・ロイバーの描いた「塹壕の聖母」という絵を見たことがありますか。
 実物をご覧になった方は少ないかもしれませんが、見た人の心を打つこの聖母の絵は、本当のクリスマスの精神、光といのちと愛を感じさせるものです。

 ドイツ人の医者であったロイバーは、軍医として召集され、史上最大の市街戦と言われたスターリングラードで戦闘の中、クリスマスを迎えました。
 彼は、ソ連軍に包囲され、連日の激しい戦いに傷つき、希望を失っている仲間のドイツ兵を力づけるために、地図の裏に、たき火の炭で、聖母を描きました。

 塹壕の入り口の戸に貼られた聖母の絵を見た兵士たちは、涙を流して喜びました。
 幼いイエスを守り、しっかり抱きしめる力強い聖母の姿と、余白に書かれた、「光」「いのち」「愛」という言葉とあいまって、ベトレヘムに貧しくお生まれになったイエスをよく表現しているクリスマスを祝うことができたのでした。

 その後、ロイバーたちはソ連軍の捕虜になり、ロイバーは生きて妻のもとに帰ることはできませんでしたが、塹壕の中で描かれた聖母の絵は、妻に届けられ、現在は教会に飾られており、人びとに平和を訴えています。


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