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私の薦めるこの一冊
神のごときミケランジェロ
- 著者: 池上英洋
- 定価:本体1,600円+税
- B5判変型 並製 126ページ
- ISBN978-4-10-602247-0 C0371
- 発行:新潮社
ミケランジェロと同時代に生きたヴァザーリが、ミケランジェロを称して「神のごとき」と言ったという、その言葉がそのまま、本書のタイトルとなっています。
本書は、ミケランジェロの生涯を追いながら、その時代の代表作をとりあげて評論しています。
彫刻家として、画家として、建築家として活躍するのですが、常に時代の先端を切って表現する彼を、一つの枠の中におさめて考え、作品を鑑賞することはできません。まさに「神のごときミケランジェロ」という本書のタイトルがふさわしいものです。
カトリック信者は、バチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画である「天地創造」や「最後の審判」の絵に親しいことでしょう。しかし、これだけではなく、1475年生まれの彼は、当時、平均寿命が50歳前後という社会にあって、88歳という長寿に恵まれ、多くの作品、それも大作をたくさん残しました。
本書の表紙に「西洋美術」とは何か? その答えがここに、とあるのですが、本書の読者は、ミケランジェロをよく、このように紹介することができたと著者の手腕に感心することでしょう。
ぜひ、美術の秋に、この1冊をお読みください。美しい写真におさめられた作品とともにその時代に生きた、彼の人柄を知ることによって、さらに作品への関心がわくことでしょう。