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教会カレンダー

B年 年間第31主日

第1朗読 申命記 6章2~6節

第2朗読 ヘブライ人への手紙 7章23~28節

福音朗読 マルコによる福音書 12章28b~34節

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今日の典礼のテーマは聖書全体の中心と言える愛についてです。エルサレムに向かって最後の旅をしておられるイエスに、どれが第一の掟でしょうかと尋ねる律法学者に、イエスは申命記を引用して答えられてます。
旧約聖書を引用することにより、神の人間への導きが続いていること、神のみ国が近づいたことにより神の愛がゆたかに実現しようとしていることを示しています。

「イスラエルよ、聞け……」との呼びかけはあなたにどう響いていますか。
今日の第1朗読と福音はとても力強い響きをもってせまってきませんか。終末の季節には何が一番大切なのかについて問うときでもあるのではないでしょうか。

教皇ベネディクト16世が教皇として出された最初の回勅『神は愛』をお読みになりましたか。この機会にお読みになることをお勧めいたします。キリスト者が自分の生活における根本の決断をするために促される書です。

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第1朗読は申命記からです。申命記は旧約聖書の中のヨハネ福音書とも呼ばれ、典礼暦何の中で何回か読まれまています。今日読まれる箇所は、5章からはじまったシナイ山での出来事と十戒について述べる部分にあたっています。

約束の地への入国を前にして、モーセはエジプト脱出やシナイでの出来事なとの歴史を振り返りながら、そこに示された神の愛を思い起こさせ、約束の地に入っても神のおきてを忘れることのないようにとの勧めの言葉を述べます。

「今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留めなさい」とは、今日の私たち一人ひとりに向けられた言葉でもあるのです。

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第2朗読では、先週に引き続きヘブライ人への手紙が読まれます。旧約の時代には律法によって定められた祭司職の制度がありました。今日読まれる箇所は旧約の祭司職とイエスの祭司職との違いについて述べられています。

イエスの祭司職はレビ族のそれとは根本的に違っています。神は、「永遠に完全な者とされておられる御子を大祭司としたのです。」

今日の典礼の中でキリストの代理としていけにえをささげる司祭とこころをあわせ、祈っていきましょう。ミサに参加する信徒は「聖なる民、獲得された民、王の祭司」として司祭の手をとおして自分自身をささげるのです。

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福音書においてマルコは今日の箇所をイエスのエルサレム入場後の出来事として述べます。
今日の福音は律法の掟の中で中に一番大切なのかを質問し、イエスはそれに答えます。最も重要な掟については共観福音史家すべてが記していますが、マルコだけがなぜ愛の掟が第一にくるのかを説明しています。

掟の中心にあるのは何か、律法学者は自分たちが見失ってしまったことを、イエスをとおして見いだそうとし、この答えを受けた律法学者は、「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』……そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています」と叫びます。

明快なイエスの回答は心にしみ通ってくる感じではありませんか。律法学者のイエスの回答に感動したのではないでしょうか。彼はイエスから「あなたは、神の国から遠くない」と言われます。彼はこのイエスの言葉をどう受け止めたのでしょうか。この余韻を祈る日としてはいかがでしょうか。
この律法学者はイエスこそこの一つの愛を生きられたと信じたのでしょうか。あなたはどうですか。

祈り

愛の源である神よ、
ひとり子イエスは、いのちに至る道を、
ことばと行いによって示してくださいました。
真実の生き方を求めて集まるわたしたちの心に、
キリストのことばが力強く響きますように。
   集会祈願より

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第1朗読 申命記 6章2~6節

 あなたもあなたの子孫も生きている限り、
 あなたの神、主を畏れ、
 わたしが命じるすべての掟と戒めを守って
 長く生きるためである。
 
 イスラエルよ、
 あなたはよく聞いて、忠実に行いなさい。
 そうすれば、あなたは幸いを得、
 父祖の神、主が約束されたとおり、
 乳と蜜の流れる土地で大いに増える。
 
 聞け、イスラエルよ。
 我らの神、主は唯一の主である。
 
 あなたは心を尽くし、魂を尽くし、
 力を尽くして、
 あなたの神、主を愛しなさい。
 
 今日わたしが命じる
 これらの言葉を心に留め※〔なさい。〕

 ※〔なさい。〕は、Laudateよりの挿入です。

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第2朗読 ヘブライ人への手紙 7章23~28節

 また、レビの系統の祭司たちの場合には、
 死というものがあるので、
 務めをいつまでも続けることができず、
 多くの人たちが祭司に任命されました。
 
 しかし、イエスは永遠に生きているので、
 変わることのない祭司職を持っておられるのです。
 
 それでまた、この方は常に生きていて、
 人々のために執り成しておられるので、
 御自分を通して神に近づく人たちを、
 完全に救うことがおできになります。
 
 このように聖であり、罪なく、汚れなく、
 罪人から離され、
 もろもろの天よりも高くされている大祭司こそ、
 わたしたちにとって必要な方なのです。
 
 この方は、ほかの大祭司たちのように、
 まず自分の罪のため、
 次に民の罪のために
 毎日いけにえを献げる必要はありません。
 というのは、このいけにえはただ一度、
 御自身を献げることによって、
 成し遂げられたからです。
 
 律法は弱さを持った人間を大祭司に任命しますが、
 律法の後になされた誓いの御言葉は、
 永遠に完全な者とされておられる御子を
 大祭司としたのです。

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福音朗読 マルコによる福音書 12章28b~34節

 「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」
 
 イエスはお答えになった。
 「第一の掟は、これである。
 『イスラエルよ、聞け、
 わたしたちの神である主は、唯一の主である。
 
 心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、
 力を尽くして、
 あなたの神である主を愛しなさい。』
 
 第二の掟は、これである。
 『隣人を自分のように愛しなさい。』
 この二つにまさる掟はほかにない。」
 
 律法学者はイエスに言った。
 「先生、おっしゃるとおりです。
 『神は唯一である。ほかに神はない』
 とおっしゃったのは、本当です。
 
 そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、
 力を尽くして神を愛し、
 また隣人を自分のように愛する』ということは、
 どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」
 
 イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、
 「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。
 もはや、あえて質問する者はなかった。

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