home＞キリスト教入門＞カテキズムを読もう＞第1編 信仰宣言＞第2部＞第41回 教会の起源、創立および使命
カテキズムを読もう
第41回 教会の起源、創立および使命
教会について続けましょう。
2 教会の起源、創立および使命
教会の深い神秘を探るために、三位一体の神のご計画の起源とその実現の歩みをみる必要があります。前にご一緒に学んだ三位一体のことを思い出しながら見てくださいね。
◆御父のみ心のうちに生まれた計画
御父は、天地万物を創造なさり、神のいのちに生きるように人間を創られました。御父は、御子を遣わし、御子であるイエス・キリストにおいて、すべての人が神のいのちに生きるようにとこの計画をたてられたのです。ですから、神は、私たち・キリストを信じて集まった人々を、聖なる教会・神の家族とされるのです。この御父のご計画は、最初からたてられていましたが、徐々に実現していきました。旧約時代から、いろいろな予型で示されていました。
◆世の初めから現れる教会の予型
初代教会の信者たちは、「世界は教会のために造られた」と確信していました。神は、ご自分のいのちの交わりに私たち人間を招いておられますが、キリストのうちにすべての人が招集されているのが、教会です。この意味で、教会は万物の目的と言えるでしょう。
◆旧約にあって準備された教会
教会を招集することは、人祖が罪を犯し、神と人間、また人間同士の交わりが絶たれたとき、神はこの人祖の罪に対してすぐに計画されたことでした。
神は、「神の民の準備」を、アブラハムを召し出すことから始められました。これは遠い準備と言えるものですが、アブラハムの子孫であるイスラエルが神の民として選ばれたことによって、直接の準備が始まりました。このイスラエルの選びは、すべての人が神のもとに集められるという「しるし」になるものでした。
◆キリスト・イエスによって創立された教会
神のご計画の時がきたとき、御父は御子を遣わし、ご計画を実行なさいました。御子は神の国の到来を告げて、ご自分の教会を始められました。キリストはこの地上に天の国を創られたのです。キリストは、ペトロを頭（かしら）とする12使徒を選ばれ、ご自分の使命と権能を与え、準備し、ご自分の教会を創設されました。しかし、厳密な意味で教会は、イエス・キリストが十字架上でいのちをささげられたことによって、誕生したのです。教会は昔から、「槍で貫かれたイエスの脇腹から教会は生まれた」と教えています。
◆聖霊によって顕現した教会
イエスの御死去のあと、ユダヤ人たちを恐れてひっそりと隠れて生活していた使徒たちが、公然と、人々の前でキリストをのべ伝え始めました。これは、彼らに聖霊が降臨し、イエスの愛の力が与えられたからでした。こうして宣教者となった彼らを中心に、代々、「神の民」である教会は、すべての人にキリストをのべ伝えているのです。
◆栄光の中で完成する教会
すべての人を神の国に入るように招きながら、教会は成長していきますが、その完成は天の栄光において実現します。栄光における教会の完成と、教会をとおしてなされる世界の完成は、大きな試練なしには成し遂げられないものです。ですから、この世において、私たちは神の国を待ち望みながら、その完成のために努力を続けていくのです。
3 教会の神秘
歴史の中にありながらも歴史を超越した存在である教会を理解できるのは、ただ「信仰の目」で見ることによるのです。
◆可見的でありながら霊的な教会
イエス・キリストは、ご自分の教会を、目に見える組織として設立なさり、絶え間なく、教会をとおして、すべての人にご自分を知らせようとなさっておられます。しかし、教会は、単に目に見える存在だけではなく、「キリストの神秘体」であり、「霊的な共同体」、「天上の善に富む教会」でもあります。
◆神と人との一致の神秘としての教会
教会は、愛による神と私たち人間との交わりを目指して存在しているものです。そして、この愛の交わりは、決して滅びることがないものです。ですから、教会の中のすべてのものは、秘跡的な道具として用いられているものです。
◆救いの普遍的秘跡としての教会
第2バチカン公会議は、教会についての有名な公文書『教会憲章』を出しましたが、その第1項に次のように書きました。「教会はキリストにおけるいわば秘跡、すなわち神との親密な交わりと全人類一致のしるしであり道具です」。つまり、教会の存在する第１の目的は、人間と神との親しい交わりの秘跡として存在するということです。人間同士の交わりは、神との一致に根ざすものなので、教会はまた、人類一致の秘跡でもあるのです。
神は、すべての人が神の民として、キリストの体となり、聖霊の神殿に建設されるように望んでおられるのです。教会はその秘跡的な道具、つまり、人類に対する目に見える神の愛の計画の現れなのです。
最後に、教会の説明が「要約」として簡潔にまとめられています。ぜひ、ご覧ください。