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第96回 ゆるしの秘跡

 

ゆるしの秘跡---

洗礼を受け、罪をすべてゆるされ、「白い衣」を洗礼式の時に受けたのですが、残念なことに、私たちは弱い人間です。信者として生活をしていても、罪を犯すことがありえます。と言うより、人の心を傷つけ、「ごめんなさい」と神様とその人にあやまりながら、日々過ごしているというのが、私たちの姿ではないでしょうか。こんな私たちのために、イエス・キリストは「ゆるしの秘跡」を制定してくださいました。

「ゆるしの秘跡」を受けなければならない人は、不幸にも洗礼後に大罪を犯した人です。この人は、大罪を犯すことによって、洗礼の恵みを失い、教会の交わりを傷つけたからです。「ゆるしの秘跡」を受けることによって、この人は再び義とされる恵みを受けることができるのです。

「ゆるしの秘跡」を授ける方法は、時代とともに変化してきました。現代、私たちが「ゆるしの秘跡」を受ける方法の一つである個別にゆるしを受ける方法は、7世紀から行われ始めたものです。アイルランドの宣教師たちが、ヨーロッパで、個人的なゆるしの方法を導入しました。これ以後、悔い改める者と司祭の間で、個人的な「ゆるしの秘跡」が行われるようになりました。これが、現代まで続いている「ゆるしの秘跡」の方法です。この方法により、「ゆるしの秘跡」が定期的に、何度でも繰り返して受けられるようになりました。また、大罪と小罪のゆるしが、1度の秘跡で同時に与えられるようになりました。

「ゆるしの秘跡」の方法は、時代とともに変化してきましたが、「ゆるしの秘跡」がもつ「基本的な構造」は変わっていません。ここには2つの本質的要素が含まれています。第1の要素は、回心する人間の行為です。これは、聖霊の働きによって、痛悔、告白、償いをすることです。第2の要素は、神様の側の行為です。これは、司教、司祭を仲介として、イエス・キリストのみ名によって、悔い改める人にゆるしを与え、償いを定めます。こうして、罪人は再びいやされ、教会の交わりに招き入れられるのです。

日本のカトリック教会の典礼の挙式方式は、ラテン典礼ですが、ここで用いられているゆるしの言葉は、上記に述べたゆるしの本質的要素を表しているものです。ご紹介しましょう。

「全能の神、あわれみ深い父は、御子キリストの死と復活によって世をご自分に立ち返らせ、罪のゆるしのために聖霊を注がれました。神が教会の奉仕の務めを通して、あなたにゆるしと平和を与えてくださいますように。わたしは父と子と聖霊のみ名によって、あなたの罪をゆるします」。

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