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神の小羊(アニュス・デイ)

神の小羊
東京教区・碑文谷教会 壁画

ヨハネ福音書で、洗礼者ヨハネは、イエスの姿を見て、自分の弟子たちに「見よ。神の小羊だ」と教えたことが書かれています。

イエスが「神の小羊」と呼ばれることの背景には、旧約聖書に描かれている「主のしもべ」の姿と「過越の小羊」の姿があります。

「主のしもべ」については、イザヤ預言書が52章13節-53章全体に、民の罪を償うために自分の身に負う、苦しむしもべとして描かれています。

「過越の小羊」については、出エジプト記12章にあるように、奴隷状態に置かれていたイスラエルの民が、モーセに率いられてエジプトを脱出するとき、神のご命令どおり、「傷のない1歳の雄の小羊」を家族ごとに1匹ほふり、それを食べ、小羊の血を家の戸口と柱とかもいに塗りました。その夜、主が、その血のしるしのないエジプトの家のすべての初子を滅ぼされました。

このほふられた小羊は、ご自分の血によって、人類の罪をあがなわれたイエス・キリストの姿を表しています。

イエスは、最後の晩餐において、聖体の秘跡を定め、世の終わりまで行うように使徒たちに命じられました。

ですから、ミサ(聖体祭儀・感謝の祭儀)において、聖体拝領のまえに、私たちは「神の小羊」と歌うのです。
そして、司祭は「神の小羊の食卓に招かれた人は幸い」と呼びかけ、会衆はそれに「主よ、あなたは神の子キリスト永遠のいのちの糧… … 」と応答するのです。

さらに、ヨハネの黙示録には「天上の小羊」の姿が描かれていますが、これも、「神の小羊」の姿を表しているものです。

過越の小羊として、抵抗することなく、すべての人の罪を身に負って、十字架上でいのちをささげられたイエス・キリストが、天上において、神の右の座に着かれ、栄光を受けられた勝利の小羊として述べられています。


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