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サマリア人

旧約時代のいちばん有名な王は、イスラエルを統一したダビデでしょう。その後継者であるソロモン王は、父ダビデの築いた土台の上に、その王国を繁栄させました。
ところが、ソロモン王の死後、すぐに王国は分裂し、BC931年、南ユダ王国と北イスラエル王国に分かれてしまいました。

サマリアは、北イスラエル王国の首都と定められたのですが、BC722年、アッシリアの攻撃を受けて滅亡しました。そのとき、支配者階層の人びとは補囚民としてアッシリアに連行され、サマリアはアッシリアの属州となりました。同時に、サマリアには異民族が連れてこられ、宗教の混淆が始まりました。

南ユダ王国も滅び、バビロンに捕囚されましたが、ペルシアのキュロス王により、エルサレムの神殿再興と帰還が許されました。そのとき、サマリア人たちは、神殿再興の協力を申し出たのですが、ユダヤ人たちに断られてしまいました。それは、ユダヤ人たちが、サマリア人たちを、ユダヤ教信仰に忠実でない人びととみなしていたからなのです。このことによって、サマリア人とユダヤ人の間の確執が強くなってしまいました。

サマリア人はゲリジム山に、自分たちの神殿を築き、モーセ5書だけを正典とし、そこで礼拝する独自の「サマリア教団」を作りました。

イエスの時代、ユダヤ人たちはサマリア人を宗教的な理由から嫌っており、お互いに話もしませんでした。ですから、イエスがなさった「善きサマリア人のたとえ話」は、聞いた人びとに忘れられない印象を与えたことでしょう。

新約聖書には、サマリア人に関する記事は、4つあります。
「サマリア人から歓迎されない」 ・・・ ルカ 9.51-56
「重い皮膚病を患っている10人の人をいやす」 ・・・ ルカ 17.11-19
「善きサマリア人」 ・・・ ルカ 10.30-36
「サマリアの女」 ・・・ ヨハネ 4.1-30


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