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 ウォルター少年と夏の休日

2004年7月

Secondhand Lions

ウォルター少年と夏の休日

  • 監督・脚本:ティム・マッキャンリーズ
  • 音楽:パトリック・ドイル
  • 出演:マイケル・ケイン、ロバート・デュヴァル、
         ハーレイ・ジョエル・オスメント

2003年 アメリカ映画 1時間50分


かわいい天才子役として活躍していたハーレイ・ジョエル・オスメント少年が、ちょっぴり大人になっての登場です。母親と暮らす少年が、夏休みの間、田舎のおじさんの家に預けられ、そこで、なぞめいたおじさんたちの生活から冒険の世界へと心躍らせていく、夏休みにぴったりのお話です。これから大人になっていく少年と、人生をいかに閉じていくかを考えている老人たち。子どもにも、大人にも、優しい心と“いきいき”生きることを与えてくれる映画です。

物語

父親がいない14歳のウォルター少年(ハーレイ・ジョエル・オスメント)は、恋多き母親と暮らしている。夏休みを過ごすために、母親に連れられ、テキサスの田舎に住む2人のおじさんの家にやってきた。母親はうまいことを言っておじさんたちに取り入り、無理矢理ウォルター少年を置いていく。「夏休みが終わるころ、迎えに来るからね」という母親のことばを、ウォルター少年は信じていない。母親の言うことに、裏切られ続けてきた。新しい恋人ができたので、自分が邪魔なのだ。

だれにも邪魔されず、悠々自適に余生を送ろうとしていたハブ(ロバート・デュヴァル)とガース(マイケル・ケイン)は、やっかいなものを預けられたという感じだ。「自分で勝手にやってくれ。おれたちの生活はくずさないでくれよ」と、ウォルター少年の世話をしてくれそうもない。彼を歓迎してくれたのは、犬やぶたなど動物たちだけだった。

寝室にと与えられた屋根裏は、埃だらけだった。テレビも、近くに遊ぶ子どももいず、何もすることがないウォルター少年は、ある日、納屋にあるトランクの底から女性の写真を見つける。その古い写真に興味を持ったウォルター少年は、この女性についてガースを質問責めにした。ガースはしかたなく、ガースとハブが若いころ外人部隊として北アフリカにいたころの話をはじめた。写真の女性は、ハブが恋したジャスミンというお姫様だというのだ。その夜から、ガースは、美しい姫を助けるための心躍る冒険物語を、ウォルター少年に語ってきかせた。

冒険物語は、もしかしたらガースの作り話かもしれない。しかし、ウォルター少年の心は、その冒険物語に夢中になっていった。ウォルター少年と2人のおじさんとの距離は、この冒険話をきっかけに次第に近くなっていく。そして、彼らは、少しずつ変わっていく。2人のおじさんたちは、死を迎えるための生活から、今のうちに大金を使ってしまおうと決意し、いろいろと大きな買い物をするようになる。それを聞きつけて、遠くから車で毎日セールスマンがやってくるようになった。ウォルター少年は、冒険物語の中のガースとハブの友情から、人を信じることの大切さを学び、明るくなっていく。

ウォルター少年は、ある夜、物音で目が覚める。寝間着姿のハブが、外へ出ていくところだった。ウォルター少年は、ガースからハブの意外なことを聞く。

 

人生を悟りきったおじさんたちから聞く話は、父親のいないウォルター少年に、男の勇気、人を愛することの大切さを教えてくれました。やがて夏休みが終わり、母親が迎えにきて、ウォルター少年は涙を流しながら農場を後にします。寂しそうにウォルター少年を見送るガース。しかし、ウォルター少年は、ある決意をしたのでした。


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