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 めぐみ-引き裂かれた家族の30年

2006年11月

めぐみ

  • 監督:クリス・シェリダン、パティ・キム
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  • 製作総指揮:ジェーン・カンピオン
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  • 原題:ABDUCTION:The Megumi Yokota Story
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  • 出演:横田滋、横田早紀江、増元照明
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  • 提供:『めぐみ-引き裂かれた家族の30年』上映委員会
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  • 配給:ギャガ・コミュニケーションズ Powered by ヒューマックスシネマ

2006年 アメリカ映画 90分


977年11月15日、めぐみさん(13歳)の帰りがいつになく遅いことを心配した母・早紀江さんは、暗くなった道を学校へと向かった。体育館には、明かりがついていた。「ああ、まだ練習しているのだ」とホッとし体育館に入った。しかし、そこに娘が所属しているバドミントン部のメンバーの姿はなかった。体育館にいた生徒に尋ねると、もう帰ったという。おかしい。黙って、どこかに行く子ではないのに……。近所の人々の力も借りてあちらこちらを捜した。近くの海岸にも行ってみた。波の音の向こうに、暗い海がひろがっているだけだった。誘拐されたのだろうか……。捜しても捜しても、待っても待っても、めぐみさんからの連絡はなかった。1979年、両親と双子の弟は、テレビの「小川宏ショー」に出演した。それは、失踪した家族を捜すための番組だった。神隠しにあったようにいなくなった娘を捜すために、横田夫妻の30年におよぶ血のにじむような戦いの日々がはじまった。

 

「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」は、今年、アメリカで公開されるとすぐ反響をよび、数々の映画賞を受賞したドキュメンタリー映画です。新聞記者とキャスターという2つの顔をもつアメリカ人ジャーナリストのクリス・シェリダンとパティ・キム夫妻は、2004年に小泉元首相が北朝鮮をはじめて訪れたときの記事に触れ、「拉致」という事実と、拉致被害者の中に13歳の少女がいたことに衝撃をうけ、2004年から横田夫妻の撮影をはじめました。

めぐみ
(c)Safari media LLC 2004

父・滋さんは、めぐみさんがお嫁に行くときに持たせてあげようと、生まれたときからたくさんの写真を撮ってきました。映画は、横田家に残るめぐみさんの写真やニュース番組などのために撮影された映像をまじえながら、学校時代の親友や先生と脱北した北朝鮮工作員の証言、拉致被害者家族会の人々との活動の様子、姉が拉致された増元照明さんとご両親、拉致という現実を訴えるために全国をめぐる横田夫妻の今の様子が描かれています。

帰国した拉致被害者5人の中に、めぐみさんはいませんでした。それどころか、病気になって亡くなくなったとして北朝鮮からは遺骨が提示されました。早紀江さんと滋さんの怒りは、頂点に達します。

めぐみ
(c)Safari media LLC 2004

早紀江さんは、たくさんの不幸にあいながらも神に信頼をおくヨブの姿に助けられながら、教会での祈りに力をいただいています。愛する娘が拉致されているという現実を多くの人に知ってもらうために、全国を飛び回っている横田夫妻の姿とは別に、家庭での二人のほほえましい姿も出てきます。

北朝鮮の“国"という大きな力に比べて、あまりにも小さな力の横田夫妻。しかし、両親の娘を助けたいという思いは、国を動かし、全国の人々の心を動かしていきます。

「めぐみちゃん、早く帰ってきてまた一緒に楽しく過ごしましょう」と呼びかける早紀江さん。一日もはやく、その願いが実現しますように。

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