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チョコレートドーナツ

2014年 4月

ANY DAY NOW

チョコレートドーナツ

  • 監督・脚本:トラヴィス・ファイン
  • 脚本:ジョージ・アーサー・ブルーム
  • 音楽監修:PJブルーム
  • 出演:アラン・カミング、ギャレット・ディラハント
       アイザック・レイヴァ、ジェイミー・アン・オールマン
  • 配給:ビターズ・エンド

2012年 アメリカ映画 1時間37分

  • 第11回トライベッカ映画祭観客賞
  • 第38回シアトル映画賞観客賞(作品&主演男優賞)
  • 第48回シカゴ国際映画祭観客賞
  • 第14回プロヴァンスタウン映画祭観客賞
  • 第2回ナパヴァレー映画祭観客賞(作品&主演男優賞)
  • 第30回アウトフェスト審査員大賞・観客賞
  • 第13回ウッドストック映画祭観客賞 他、多数受賞

1970年代の実話をもとにした作品で、母親から放棄されている男の子と、彼をいとおしく思い、彼と家族になろうと尽力するゲイのカップルの物語です。差別と偏見に満ちた社会は、この愛を受け入れることができず、一人の男の子の人生を狂わせてしまいました。真実の愛を見極める難しさを感じます。「チョコレートドーナツ」は、たくさんの観客賞を受けました。


物語


1979年、ウエストハリウッドで弁護士事務所に勤めるポール(ギャレット・ディラハント)は、ショーバーで、ルディ(アラン・カミング)と出会った。ルディは、シンガーとなることを夢見ながら、今は女装してダンサーとして働いていた。二人はすぐひかれ合った。

ルディが住んでいる貧しいアパートの隣の部屋に、薬物依存の母(ジェイミー・アン・オールマン)と、ダウン症の息子マルコ(アイザック・レイヴァ)が住んでいた。男性を連れ込んだ母親は、マルコに外に出るように命じた。大きな音が夜中じゅう鳴り止まず、たまりかねたルディが隣の部屋に怒鳴り込んでいくと、そこには、一人残されたマルコがうずくまっていた。

チョコレートドーナツ
(C) 2012 FAMLEEFILM, LLC


ルディはポールの事務所に行き、どうしたらいいかと相談しようとするが、ポールは取り合ってくれず「家庭局に行け」とルディを追い出す。職場の上司は、ポールに疑いの目を向けはじめる。出会ったときと全く違う態度をとるポールに、ルディは怒り落胆する。

アパートに戻ると、捜査員と家庭局の職員がおり、母親は薬物所持で逮捕されたと言い、マルコは施設に連れて行かれる。ルディは、マルコが大好きなアシュリーの人形を、彼に渡す。

翌日、ポールが店に謝りに来る。二人は、これまでの人生を語り合い、絆を強める。店からの帰り道、二人は施設を抜け出したマルコを見つけ、連れ帰る。母親が刑務所にいる間という期限付きで、ポールとルディは、マルコを引き取り、3人で暮らしはじめる。マルコは学校に通うようになり、幸せな3人の日々が流れる。しかし、ポールの上司が開いたホームパーティーに行った二人は、そこでゲイのカップルであることが知れ、ポールは仕事を解雇されてしまう。二人がいとこ同志だと偽っていたことが家庭局にばれ、マルコは家庭局に連れて行かれる。

チョコレートドーナツ
(C) 2012 FAMLEEFILM, LLC


「ずーっと親でいたい」。ルディはマルコを取り戻すため、「今こそ、法律で世界を変えるチャンスだ」と裁判に挑む。ポールも、「正義で世界を変えたい」と法に対する情熱を取り戻す。彼らの裁判が始まる。

チョコレートドーナツ
(C) 2012 FAMLEEFILM, LLC


 

パートナーのポールや、愛するマルコを見るルディの優しさが、すべてを包み込む母親のようなまなざしで、うっとりする、いつまでも見ていたいようなすばらしいほほえみです。ドラマの展開とともに、ルディの歌が、彼らの心を表現していきます。裁判で負けてしまったが、一方で願い続けていた歌手として採用されたステージで歌う「I Shaii Be Released」は、彼の社会に対する反抗と悲しみと自由を求める願いが込められた歌で圧巻です。愛情を持って、人を大切にして生きているルディの姿に、圧倒されます。俳優になることを夢見ていたマルコ役のアイザック・レイヴァは、「チョコレートドーナツ」がデビュー作となりました。


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