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幸せのありか

2014年12月

LIFE FEELS GOOD

幸せのありか

  • 監督・脚本:マチェイ・ピェプシツァ
  • 作曲:バルトシュ・ハイデツキ
  • 出演:ダヴィッド・オグロドニック、カミル・トカチ、
        アルカディウシュ・ヤクビク、ドロタ・コラク、
        カタジナ・ザヴァツカ
  • 配給:アルシネテラン

2013年 ポーランド映画 1時間47分

文部科学省特別選定(青年向き、成人向き)
文部科学省選定(家庭向き)
厚生労働省社会保障審議会《推薦》

  • 2013年第37回モントリオール世界映画祭 グランプリ、観客賞、エキュメニカル審査員賞受賞
  • 2013年第38回グディニア国際映画祭 観客賞、銀賞受賞
  • 2013年第49回シカゴ国際映画賞 観客賞、ニューディレクターズ/コンペティション部門、シルバー・ヒューゴ賞受賞
  • 2014年第16回ポーランド映画祭 観客賞、主演男優、助演男優、助演女優、脚本賞5部門受賞
  • 2013年第11回トフィフェスト映画祭金色の天使 観客賞、部門別特別賞受賞
  • 2014年第38回フリーランド国際映画祭 ジョージGUNDⅢ記念本部と東ヨーロッパ映画コンペティション 優秀作品受賞


物語

ボクは、マテウシュ(ダヴィッド・オグロドニック、子役:カミル・トカチ)。自分の身体を、自由に動かすことができない。両親や姉や兄に何かを伝えたくても、言葉で表現できない。身体で伝えられない。幼いころ、面接した医師から、「彼は植物状態です。治るみこみはありません」と言われた。違うよ。ボクは、みんなの言っていることが分かるし、感情もあるんだ。

ボクは、世話をしてくれるお母さん(ドロタ・コラク)が優しいことも、星空を見ることを教えてくれるお父さん(アルカディウシュ・ヤクビク)が、ボクを愛してくれていることも知っている。

床に寝て身体をくねらせて移動していたとき、お母さんが探しているお気に入りのブローチがベッドの下にあるのを見たんだ。「ほら、お母さん。そこにブローチがある。お母さんが探していたやつだよ。ほら、あそこ」しかし、ボクの声は「ウー、ウー」と言うだけで、言葉で伝えることができない。床をたたいて場所を教えようとしても、身体がバタバタするだけで、暴れたように見える。あわててみんながやってきて、ボクを押さえた。あ~~。

ボクの身体は大きくなり、お母さんはボクを抱きかかえて、車いすに乗せることが難しくなった。母は倒れて入院し、結婚する姉はボクを施設に入れた。

 幸せのありか


ここは嫌いだ。係のおばさんは、食事のとき、ボクの口に次々にスプーンを入れるので、ボクはゆっくり飲みこむこともできない。一日、何もすることがない。だいぶたって、母が来てくれた。ボクを迎えに来てくれたのかと期待したが、週1回の面会だった。

新しい看護婦のマグダ(カタジナ・ザヴァツカ)がやってきた。彼女は、ボクに疑問を持ったようだ。

 幸せのありか


ある少年のところで教えている先生の声が聞こえる。「“ はい ”なら、まばたき1回。“ いいえ ”なら、まばたき2回」。ああ、ボクも、まばたきができるよ。

 

脚本は、脳性麻痺の障がいを持った男性の、実際の出来事に感化されています。何ヶ月にもおよぶ準備と集中訓練で、ダヴィッド・オグロドニックは、主人公のマテウシュを演じきりました、理解できない突飛な行動と奇声にあわててしまうのではなく、彼または彼女は何を感じ、何を伝えようとしているのか、相手の行動の奥にあるものを見つめることを学び、共に生きる道を探していくことが幸せに向かう道となるのだと味わいながら見ました。


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