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マルコで祈る

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冬の夕焼け



この人は、大工ではないか

マルコ6.3


イエスはヨセフから技術を学んだ。
このときヨセフはもう他界していたと思われる。

大工の職は、父から引き継いだのだ。
イエスの手を想像してみるといい。
神と同じ力ある働きをする手だ。
しかし、労働を学んだ手でもある。
そして一生涯、苦労する手である。
十字架の木に釘づけにされるときには、
体を支えることになる。

大工の仕事は、
何か小さな物や道具を、作ったり修理したりすることであった。
たいていは、農夫が農閑期を利用して自分でするような仕事であったのだ。
だから収入は低いし、立派な職業でもない。
貧民階級の仕事で、わずかばかりの工賃をあてにしての日銭稼ぎ。
定収などとても考えられない。

「大工」という単純な言葉が、
イエスがどこにでもいる無名の人間であったということを物語る。
職業でしかその人が表せないような、ありふれた人間だ。
「あれは大工だ」と言ってしまえば、それですんでしまう。

ナザレでの30年間は、どの人生にもあるありふれた日常、
生存のための労働という定めに縛られた日常に光をあてる。


『思い起こし、物語れ』上 より


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