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マルコで祈る

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 黄色いハイビスカス



サタン

マルコ8.33


悪魔を追い出してもらった人の場合と同じく(1.23~24)
この瞬間にはペトロではなく、
ペトロの中にひそんでいるサタンが話しているのである。
サタンは
取りついた人間を占領して自分と一つにしようとする。
「み言葉」の盗賊(4.15)が、
荒れ野で失敗した攻撃を、
ここで加えようとしている。
敵の誘いに乗らなかったとしても、
親しい友人から誘惑されれば落ちるのではないか、
というわけだ。
だがイエスはきっぱりと拒絶する。

どれほど愛にあふれていてもキリストの思いを理解していなければ、
考えやおこないは悪魔的になってしまうのだ。
人の熱意につけこんで、
サタンは熱狂主義(ファナティズム)へと引きずりこむ。
だが「み言葉」がその仮面をはぎ取る。
「み言葉」とは十字架の知恵だ。

何か悪魔的な言葉を吐いたのでも、
悪魔のようなおこないをしたのでもないのに、
ペトロは「サタン」と呼ばれていることに注意してほしい。
ただ単に「人間のことを思っている」だけであるのに、
サタンと呼ばれたのだ。

サタンは実に人間的なのである。
それとは対照的に神のほうが残酷に思えるものだ。
わたしたちはこう判断しがちだが、
それはあの邪悪な者に欺かれているからなのである。
善を悪に、
悪を善に見かける専門家だ。


『思い起こし、物語れ』上 より


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