4 Laudate | 神との語らい

home>祈り>マルコで祈る

マルコで祈る

→ INDEX-6 (マルコ3.13~ )         → INDEX-5 (マルコ2.20~3.6)

→ INDEX-4 (マルコ1.4~20)         → INDEX-3 (マルコ1.21~38)

→ INDEX-2 (マルコ1.40~2.9)        → INDEX-1 (マルコ2.10~19 )


 イチョウ



抱き上げて

マルコ9.36


イエスはこの子どもを抱き、
人々の目の前で高く上げる。

「見よ、
この人だ」。
その弱さこそが力なのだ。
愛を必要としている。
迎えられることを必要としている。
それこそが神の子としてのほんとうの尊厳なのだ。

神は、
人間が自分で自分を満足させようとして、
ほかのことを探し求めないように、
幼い子どもをモデルとしてみなの目の前に置くのである。

赤ん坊は母から乳を与えられる。
母乳は赤ん坊にとって生命そのものだ。
十分に乳を飲んだ後は、
安らかに眠る。
おとなにとっての安らぎは、
自分に注がれる愛に、
母親が幼子を抱き取るような愛に身をゆだねることにある。

信頼するのでなければ、
人間は自由なおとなに成熟することができない。
自分が無条件に愛されていると感じるのでなければ、
けっして人間らしく生きられない。
そう感じられないから、
わたしたちは自分の力を超えた大きなことを手にしようとして、
たえずフラストレーションを増やし続けることになる。
今もいつも落ち着かず苦しみ悩みにさいなまれ、
やがて、
満たされない欲望を胸に抱いて死んでいく。
わたしたちの生涯は、
あたかも詩編の言葉を裏返したものになってしまう。


▲ページのトップへ