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第102回 病者の塗油の秘跡 ?(2)

 

病者の塗油の秘跡についての2回目です。

 

「病人たちをいやしなさい……」---

人々の心身の病をいやされたイエスの姿が、福音書によく現れていますが、その師イエスの姿は、「医者であるキリスト」の姿です。

あるとき、キリストは弟子たちに、弟子としての心構えをこのように教えられました。「自分の十字架を担って私に従いなさい」と。弟子たちはキリストの宣教旅行につき従いながら、イエスがどのように病人に接しておられるか、病気についてどう考えたらよいのかなどを学びました。

さらにイエスは、12人の使徒たちを宣教に派遣なさいました。彼らは出かけていき、宣教し、多くの悪霊を追い出し、油を塗って病人をいやしました(マルコ6.12~13)。復活後、イエスは12使徒たちに、再びこの派遣の使命を新たになさいました。このことは、イエスが人々の救いのためにこの世に来られた「救う神」であることを、特に明らかに示しています。

教会は、「病人をいやしなさい」という務めをキリストから受け、病人の世話と、執り成しの祈りとによって、これを果たすように努めています。これは、心身の医者であるキリストが、病人に生きる力を与え、共にいてくださることを信じているからです。教会は、使徒の時代から、病人のために、固有の儀式を行っていました。

ヤコブの手紙には、次のように書かれています。「あなたがたの中で病気の人は、教会の長老を招いて、主の名によってオリーブ油を塗り、祈ってもらいなさい。信仰に基づく祈りは、病人を救い、主がその人を起き上がらせてくださいます」(5.14~15)。これは、病者の塗油の秘跡について述べているものです。

 

病者の秘跡---

「病者の塗油の秘跡」は、イエス・キリストによって制定された7つの秘跡の1つで、病気に苦しむ人々を励ますことを目指した秘跡です。

初代教会の時代から、祝福された油を用いて、病人に塗油の儀式を行ってきました。 時の流れとともに、病者の塗油は、臨終の人に限って行われるようになり、そのため、名称も「終油の秘跡」と呼ばれるようになっていきました。しかし、第2バチカン公会議後に、教会は病者の塗油についての使徒憲章を公にし、次のように述べています。

病者の塗油の秘跡は重病の病人に授けられ、祝福された油-オリーブまたは他の植物油-を額と手に塗り、同時に、次のことばをただ一度唱えます。「この聖なる塗油により、慈しみ深い主キリストが、聖霊の恵みであなたを助け、罪から解放してあなたを救い、起き上がらせてくださいますように」。

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