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新世紀ルーツへの巡礼

目次

神との契約

2) 神が望んでおられる

聖母子

アルベリオーネ神父も、少年たちも、この固有の召命に神から召されていると強く感じていたので、従わないわけにはいかないと深く実感していました。彼らは、この道を通るときだけ確実にその目的に着くことができる、この道に自らの幸いがあると信じていたのでした。

アルベリオーネ神父は、返済出来ないほどの莫大な借金をかかえ、負債者たちはそのため彼をペテン神父と呼ぶほどでした。毎週、数日は床につかなければならないような健康状態でした。世界大戦のために困難は増す一方であり、その上、政治家や弁護士、聖職者たちまでが、彼に個人的な戦いをいどみかけていました。

これらすべてを見ながらも、少年たちは、アルベリオーネ神父が神から偉大な召命を受け、それをかならず完遂することを信じて疑わなかったのでした。

彼らのうちの最年長者ジャッカルドは、アルベリオーネ神父は彼の行動と企画のすべてにおいて、自分のすべてを神に集中させ、この中心からすべてを考え、動かし、判断している人であると書き残しています。

アルベリオーネ神父が、ことあるたびごとに、少年たちに話したことの中で、彼らが生きていた信仰の雰囲気を私たちに伝えてくれるものがあります。

1918年3月13日、アルベリオーネ神父は夜の小講話の中で、未来の使命を志して準備しているその少年たちには、勉学が非常に大切であることを説明しました。それは契約と信頼であると、ジャッカルド神学生が日記に書いています。

この日記に書き記されている講話の考えは、しばらくの間、度々アルベリオーネ神父の念頭に浮かんでいたようです。1919年1月7日には、簡潔、明確な形で再提示されることになります。

良い出版物のために働く人たちは、8人分の効果をあげなければならないと、勉学についてだけでなく、生活全体にわたって言っています。これを信じるために、「はじめは非常に大きな信仰が必要であった、しかし、シニョール・テオロゴ(神学の先生)は、全員すべてについてこのことが言えるのを経験された」と、ジャッカルド神学生は日記につづっています。

「1人で4人分。この覚悟がなく、この信仰を持たない人はよそに勉強しに行きなさい。よそは4時間勉強して4時間分習うことができる」と。

良い効果をあげるために、
 (1) シニョール・テオロゴの言葉を信じること。
 (2) 私たち自身に信頼をおかず、神にすべての信頼をかけること。
 (3) 時間を無駄にしないこと。

アルベリオーネ神父は、この考えを少年たちの中に刻みつけていったのでした。

ジャッカルド神学生は、1月7日の日誌に「昨夜(主の公現の主日にあたっている)、父は私たち皆に、主との契約を結ぶよう勧められた。」と書いています。

アルベリオーネ神父自身は、すでにこの契約を結んでいました。少年たちにも彼にならってこの神との契約を結ぶことを勧めたのです。

創立者はもうひとつの形の神との契約を、熱心に進めていました。それは、福音書の言葉「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる」(マタイ 6.33)に基づくものでした。

神の前で誓い、荘厳に義務を負うために、主のことばの最初の部分「神の国とその義とを、つまり聖性を求めます」を使って誓います。同時に、常に約束に忠実であられる主が「私はそれに加えて、これらのものをすべて与えよう」、つまり、聖性だけでなく、食物も、健康も、仕事も、その他の生活に必要有益なすべてのものを思い浮かべるように勧めています。

また、この契約を荘厳にしたい人には、自分の言葉の部分に自分の名前で署名し、主の言葉の部分にはイエス・キリストのみ名で署名して、保証人となる御父と聖霊の名を加えるよう勧めていました。

このため保証人はいません。保証人は見つからないと考えたのでしょうか。

これに関係ある1枚の紙片がジャッカルド神父の書類の中から発見されました。それはもう黄色に変色し、ふちもかなり傷んでいました。

その紙片には、他の人たちに勧めていたのと同じ法則に従って、ジャッカルド神父とアルベリオーネ神父の連名の契約が記されています。アルベリオーネ神父がラテン語で書いた契約文で、「約束手形」という表題がつけられています。

この契約は、更新され、祈祷書に「契約の祈り(成功の秘訣)」として伝えられ、今日にいたるまでパウロ家族メンバーにとっては精神を生きる基本的な祈りとして親しまれています。いずれルーツの旅の中で、これについて紹介したいと思います。

◆02--4 神との契約


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