home > 女子パウロ会とは > 新世紀ルーツへの巡礼 > 2-聖パウロ修道会 > 5) 天と地の間に交わされた「約束手形」(2)

新世紀ルーツへの巡礼

目次

神との契約

5) 天と地の間に交わされた「約束手形」(2)

約束手形とは、広辞苑によれば、「振出人が受取人に対し、一定の期日に一定の金額を受取人、またはその指図人(さしずにん)もしくは手形所持者に支払うことを約束して振り出す流通手形」のことです。

例えば、2001年8月20日にA氏(振出人)は、B氏(受取人)から、1億円の土地を買うと仮定します。

そのときA氏は、2001年8月20日付けで、2002年8月20日に1億円支払うという約束手形を振り出し、これをB氏に渡します。するとB氏は、これと引き換えに土地を売ります。2002年8月20日に、B氏はこの約束手形と引き換えにA氏から、1億円を受け取るわけです。

ですから、アルベリオーネ神父が交わした天と地の間での「約束手形」は、次のようになります。

 振出人:アルベリオーネ神父とジャッカルド神父(会員一同)
 受取人:三位一体の神
 支払金額:「何よりもまず、神の国と神の義を求める」こと
 交換物件:「これらのものはみな加えて与えられる」こと
       つまり、固有の使命を果たすために必要なすべてのもの、
       人材、精神、資本、知識、技術など
 支払期日:なし
       つまり、約束した日から毎日ということ。
 振出日:なし
       上記同様に、約束した日から毎日ということ。

シスター テクラ

この約束手形について、ステファノ・ラメラ神父は、「手形中の手形」と呼びました。

このような行為を、ある人はばかげている、狂っているというでしょう。ある人は、これを英雄的信仰と呼ぶことでしょう。

アルベリオーネ神父は、神と契約を結び、彼に従っていた青少年に同じようにさせました。しかし、彼は、この契約に基づく神とのかかわりに、はじめから聖パウロ女子修道会の共同創立者シスター テクラ・メルロをも導いたことは注目に値します。

 万事に神のみ手がはっきり見えました。テレザ(シスター テクラ・メルロ)は、入会して間もなく病気になりましたが、はじめからみんな彼女に深い尊敬の念を抱きました。そのころ、神と契約を結びました。この契約は、重要なとき、重大な必要に迫られるときに役立ちました。
 テレザについて、「すべてをささげるに違いありませんが、新しい家族に与えることのできるものはわずかでしょう。むしろ、病弱ですから、重荷になるかもしれません」と言い続ける人がいました。
 しかし、契約をつねに新たにし、……神は静かに、しかも効果的に働かれることと、善良さと常識は、体力と知識に勝ることを認めなければなりませんでした。

1900 年のあの夜、アルベリオーネ神学生は「自分自身の無」を深く実感していました。そして、聖パウロ修道会の創立をはじめるために選ばれた人たちは、人間的な面ばかりか、何の準備もない人たちで、生活の手段はほとんどありませんでした。アルベリオーネ神父は、このようななかで、聖性、使命、健康、勉学、経済の必要のために、神だけに頼るという、神のみ旨を読み取っていったのです。

パウロ会の最初の司祭であり、当時最年長であったジャッカルド神父の日記によって、アルベリオーネ神父がどのように青年たちに契約を理解させ、それを受け入れさせるように導いていったかがわかります。

この約束手形は、2人の契約者の間に交わされる契約に基づいた神とのかかわりを生きることです。また、神が必要なものを必ず与えてくださることを信じ、自分の側からは、神の計画に完全に応えることを義務として負う生き方です。

契約によって、テレザは義務と完全な委託の精神で生きることに賛成しました。単純さのうちに彼女は謙遜と信仰をもって生きるよう務め、この徳は彼女の霊的人柄の特徴となりました。

◆02--4 神との契約


▲ページのトップへ