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新世紀ルーツへの巡礼

目次

3-聖パウロ女子修道会

4)アルベリオーネ神父への思い


スーザの書院

スーザの景色
スーザの景色

アルベリオーネ神父が、スーザへの出発の時に聖パウロの娘たちに言ったのは、「何年かそこで沈黙のうちに過ごしなさい」ということでした。しかし、彼は決して彼女たちを放っておいたわけではありません。

スーザでパウロの娘たちが、書院と良書出版の印刷所で働いていた時、彼は父親のような目をもって、彼女たちを見守っていました。

彼は、思いと心を遠くにいる娘たちにはせながら、手紙のやりとりはもちろんのこと、毎年夏にはキエザ神父と一緒に何日か滞在し、パウロの娘一人ひとりが話したり、相談したり、問題や困難をうち明けることができるようにしていました。彼は、彼女たちの養成とその働きに心を配り続けていました。

アルベリオーネ神父との定期的なこの出会いは、彼女たちの生活の規範をつくっていく時ともなったのです。このグループは、教会から正式に認められるための修道会として歩む段階にありましたが、今までの女子修道会とは似ても似つかない面が多々あったのです。目的が違うところから生じることですから、はじめての経験、見本になる「前例」をもたない、慣例もないことが起こってくるのも事実です。

そのことからも、どうしてもアルベリオーネ神父自身がスーザに出向いていく必要がありました。この時点では、彼自身が会則でした。アルベリオーネ神父は、彼女たちと膝をまじえて話しはじめる前には、すでに2時間ぐらいは祈っているのがつねでした。

彼が打ち出す指示や勧めは、いつの日か彼女たちの会則となるもののエッセンスから出てくるものでした。それは、「女性は男性同様にその使命に召されている、男性同様に派遣されている。単なる家事仕事による協力だけではなく、男性と同じレベルで女性固有の使命をもって派遣されている」という根本的なコンセプトから出てくるものでした。その視点から、あらゆる問題は一つひとつ解決されていったのです。どのような仕事の果たし方、どのような企画が良く、どんなものを捨てる必要があるのか、すべてが基本原理によって決定されていきました。

アルベリオーネ神父

シスターテクラ・メルロは、「どれほどの思いをもって、彼が来られることをお待ちしていたことでしょう。彼にお会いする時、私たちの心は喜びでいっぱいでした。夜には愛する父の周りにみんな集まり、夢中になって彼の励ましの言葉に耳を傾けていました。それらの言葉は、次の訪問まで仕事を熱心に続けさせるための励ましとなりました。」とつづっています。

ある時、良書出版のために働いていたパウロの娘たちを励ますために、賞が与えられることになっていました。その日は、アルベリオーネ神父の霊名の祝日にもあたっていたので、この式に出席してもらうために彼を待っていました。しかし、夕方着いたアルベリオーネ神父は、お祝いの朝には出発しなければならず、彼女たちは涙でいっぱいになりました。

それにしても、彼女たちにとって、スーザはアルバの次に行った「新しい場所」ではないのです。アブラハムや、使徒パウロが自分の使命を果たす時にいつもそうだったように、パウロの娘たちにとって、スーザは派遣地、宣教地なのです。パウロの娘の生活は、つねに福音宣教、時代が求める人々の必要に派遣されることなのです。その歩みは決して終わることはありません。シスターテクラ・メルロにとって、このことは彼女の心にしっかりと刻みこまれ、血とも肉ともなっていきました。彼女は、従順が求めていることをすぐキャッチし、理解するように成長していったのです。この従順、神の呼びかけに具体的に応えていくことは、彼女の人柄の特徴として後に語られるひとつともなったほどです。

◆3--2 パウロの娘のその後


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