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新世紀ルーツへの巡礼

目次

 パウロ家族創立100周

 6)固有の使命、固有の霊性1

「アルベリオーネ神父」

アルベリオーネ神父の「主のために、そしてまた自分が生活をともにするはずの新しい世紀の人びとのために、なにごとかを果たすために準備する義務を負っているということをひしひしと感じた」との内面の体験は、時を経てだんだんと見える姿になっていきます。

創立者はアルバ教区の司祭でしたが、世紀を分かつ夜の「神からの招き」に応えるということは、この教区司祭としての召命を捨てるということになります。

「世紀を分かつ夜」は、アルベリオーネ神父にとって二重の意味で決定的な夜ととらえられました。
それは、パウロ家族にとっての固有の使命と、固有の霊性が与えられたことであると、アルベリオーネ神父が述べています。つまり、「世紀を分かつ夜」の体験の中には、パウロ家族の使命と霊性の根幹が指し示されているということです。

まず、固有の使命について目を向けていきたいと思います。

世紀を分かつ夜の体験の時には、創立者はまだアルバ教区の司祭としてとどまりながら、その中でこの固有の召命を理解していったわけです。

固有の使命とは、新しい手段、印刷には印刷をもって、組織には組織をもって対抗していく必要性、使徒たちの新しい群の必要性などについてアルベリオーネ神父は、神の使命として感じ取っていったのです。

ここで言われている「印刷」というのは、アルベリオーネ神父が感じ取ったパウロ家族の固有の使命から導き出したその当時にふさわしい手段としてとらえられたものです。
このことが意味することは、いつも、今の時代に、わたしたちの固有の使命にふさわしい手段は何なのかを問う必要があるということです。

アルベリオーネ神父が使命の出発点としてとらえていたのは、「印刷」でした。それが、時代とともに「良書の使徒職」、「出版使徒職」、「マスコミによる使徒職」、「社会的コミュニケーションによる使徒職」という言葉でとらえられるようになりました。

これらで表現していたことは、社会に向けた、大衆に向けたという形でのコミュニケーションを一つの分野としてきました。
現代、コミュニケーションは、ソーシャルネットワーキングサービスとして、企業も個人もどんどん参加していってコミュニケーションを形作くり、その中で仲間、共同体をつくっていく時代となっています。

この変化の中にあって、パウロ家族メンバーは、現代における固有の使命の実践、使徒職の形態が大きく変化する時代に生きる者として、アルベリオーネ神父が読み取っていったあの神からのメッセージを読み直す必要があります。何を今の時代の使徒職としていくのか、識別していくことが求められます。

インターネットの世界の中でホームページを開設し、E-mailを利用するなど、アクセスしている人がたとえ個人であったとしても、それが社会的な性格をもった場をとおして行われていく状況の中で、パウロ家族の使徒職の固有の場としてどう受け止めていくのか、今まで行われてきた使徒職の対象であるマスメディアとパーソナルコミュニケーションとの区別がなくなってきている時代にどうあるべきなのか、という問いが発せられるのです。

携帯電話、スマートフォンなどの端末をとおして、テレビを見ることができ、ラジオを聞くこともでき、書籍を読むこともでき、購入することもできる。メール、電話をすることもできる。文章をつくることも、それを送ることもできるなどありとあらゆることが、一つのメディアに集約されています。

アナログでは考えられなかった、デジタル化の世界の中で、つまり一つの記号に統一されることによって、なんでも記録することができ、それを読み取るアプリケーションが共通であれば、すべて次から次へとデータ、情報として持ち込め、交換することも可能です。まさにコミュニケーションの革命を生きると言われる所以です。

「その世界においてわたしたちの固有の使命とは?」という問いと、戸惑いの中で考えていますが、時代はどんどん進んでいき、ある意味でその世界の中でわたしたちはそれらを用い、学びながら、自分たちの使命の範囲の中に入れ込んでいっているというのが現状です。

◆12-創立100周年に向かって


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